第4話 本編投稿開始早々につまづきました
そして、ようやく「サムライー日本海兵隊史」本編の投稿開始に至るのですが。
海兵隊が存続し、日米満鉄共同経営に至るとして、と私が大プロットを立てた時点で、思い切り悩んだのが、いわゆる朝鮮半島の取り扱いでした。
それこそ、某巨大掲示板で、
「あの時に朝鮮半島が独立を維持できる訳が無い、それだけで火葬もいいとこだ」
レベルの悪口を書かれたこともありますが、私としては、朝鮮半島が独立していないと日米満鉄共同経営は困難だろう、と考えて、ああいう流れ(大韓王国成立による朝鮮半島独立)にしました。
それこそ、作中で登場人物の一人に語らせましたが、
「南満州や朝鮮半島等のいわゆる大陸利権を日米で分け取りにして、日米で儲けましょう。その代り、米国市場で日本を排除しないでください。それで、史実よりも日本は豊かに発展していきましょう」
ということです。
朝鮮半島が、史実のように、日清戦争後に反日傾向を強め、日本もそれに対処しようとして、それこそ韓国が保護国化し、更に朝鮮半島が植民地化してしまっては、朝鮮半島の鉄道は当然、日本のものということになり、更に満鉄とどのような関係にするかについて、米国とゴタゴタしかねない。
それならば、朝鮮半島を独立させて、その利権を日米で分け取りにして、大陸に関しては、日米共同でという方針にひたすら徹する、という方向で歴史を変えることにしました。
ですが。
これを小説上、十二分にあり得るように描写するのに、えらい手間が掛かることになりました。
それこそ、当時の歴史を調べる程。
どうやったら、作中のように、(少なくとも表面上は)親日の朝鮮政府が明治末の頃にできるのか、色々と歴史を調べ、ここをこうしたら、と考えていくたびに、いや、ダメだから、という反証がみつかる始末。
上記に書いたように、某巨大掲示板で、
「あの時に朝鮮半島が云々」
と指摘されたのが、本当に正しいのかもしれない、というのが、今の私の正直な実感です。
結局のところ、21世紀の今でも、そう変わりませんが。
朝鮮半島が反日に染まり、釜山等に日本に敵対的な大国(ロシア帝国なり、清国なり)の軍事基地ができるという事は、あの当時の日本にとって大きな安全保障上の脅威になるという事です。
だから、日本としては、そのような事態を看過できません。
従って、明治当時の日本政府としては、朝鮮半島に介入せざるを得ませんが、そのことが朝鮮半島においては、国王から末端の住民に至るまで反日感情を広め、それに対処するために、日本も強硬策を取り、それがますます反日感情を広め、の悪循環になりかねない。
実際、史実がほぼそうなった、といっても、あながち間違いではありません。
強硬策をできる限りは回避して、親日の政府を朝鮮半島で一時的とはいえ、安定して成立させて。
第一次世界大戦勃発前後まで、その傾向の政府が朝鮮半島で維持できれば、日本も朝鮮半島の独立で手を打てるだろう、という方向の歴史改変を色々と私なりに考えた結果。
小説だからできたのだ、と言われそうですが。
日清戦争の最中に、当時成立していた金弘集政権に資金援助を日本政府が積極的に行い、
(日本政府が借款を行うという形なのは、時代的にやむを得ない、ということで。
それに日本政府に無償援助する程の余裕はない、と感想欄で言われるのがオチですし)
それで、金弘集政権に軍人や文官の支持が集まることで、少なくとも表面上は親日政権が樹立されるという形で、朝鮮半島情勢を安定させることにしました。
もっとも。
金で誇りは買えないのだ、幾ら金をばら撒こうとも、朝鮮半島の反日は変わらない、といわれる話なのは、私自身否定しきれない話です。
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