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エピローグ 75年余りの歴史を描き終えてみて

 エピローグになります。

 本当に75年に渡る小説を描けるとは。

 更に、外伝等も含めれば、300万字を超える小説になるとは。

 執筆当初の自分には、とても思えませんでした。

 もし、そうなると予期出来ていたら、私は最初の時点で、余りの長大さに執筆を諦めたでしょう。

「サムライー日本海兵隊史」世界が、史実と明確に歴史を違えることになったのは、1868年5月に榎本武揚が史実と異なり、勝海舟の説得に応じて、「開陽」等の幕府艦隊を、いわゆる薩長側に引き渡した時点になります。

 細かいことを言えば、それ以前に、「甲鉄」を榎本が入手するという史実と異なる事態が起きてはいるのですが、精確な日時が作中ではぼかされていますし。

「開陽」等を引き渡す決断を、榎本が行ったことから、歴史が動いて行くので、1868年5月を「サムライー日本海兵隊史」世界の始まり、と考えたいと思います。


 そして、外伝等では、現在進行形で違う歴史が流れているともいえるのですが。

 一応、本編完結時点という点で考えるならば、「サムライー日本海兵隊史」世界の小説における完結時点は、1943年10月21日に、連合国の首脳陣が、第二次世界大戦終結宣言をした時点と言えるのではないか、と作者の私は想う訳です。

 そうなると、75年余りの歴史を紡いで、描いたことになるか、と私は考えます。


 さて、一口に75年余り、と言いますが。

 2019年現在の75年前というと、1944年、第二次世界大戦の真っ最中ということになります。

 これだけでは、今一つ、私にも、いわゆるピンと来ないものがあるので、戦国時代の歴史の流れとも比較してみます。


 戦国時代の終わりについて、遅く考える人の中には、島原の乱終結を挙げる人までいるそうですが、私としては、一応、豊臣秀吉の日本統一完成時、いわゆる「小田原征伐」が終わった時と考えたいと思います。

 そうなると1590年が終わりの時ということになり、その75年前、1515年時点で、日本はどうだったか、というと。


 室町幕府が、まだまだ健在で、第10代将軍足利義稙が、大内義興や細川高国に支援を受け、第11代将軍足利義澄を打ち破って、将軍に返り咲いていました。

 一方、1590年時点では言うまでもなく、室町幕府は消滅しています。


 また、北から順に主な勢力を見ていくと。

 1515年当時の伊達家の当主は伊達稙宗であり、1590年当時の伊達家当主、伊達政宗の曽祖父にあたります。

 また、北条家では、北条氏直の祖父の祖父、北条早雲が未だに当主でいました。

 上杉(長尾)家では、上杉景勝の祖父、長尾為景が当主に就任しています。

 武田家では、武田勝頼の祖父、武田信虎が当主に就任しています。

 今川家では、今川氏真の祖父、今川氏親が当主でいます。

 徳川(松平)家では、徳川家康の曽祖父、松平信忠が当主です。

 毛利家では、毛利輝元の大伯父にして、毛利元就の兄、毛利興元が当主です。

 島津家では、島津義久の祖父、島津忠良が、伊作家の当主になったばかりで、島津本家の当主は、別系統の状況でした(後に、島津貴久が本家を養子として継ぐ)。

 織田家では、織田信長の祖父、織田信定が当主ですが、まだまだ小勢力です(尾張全体で見れば、島津家と似たような状況で、織田一族同士が争っています)。


 こうしてみると、よくもまあ、無謀なことを思い立ったものだ、75年の歴史を描いてみよう、とは。

 と、自分自身、呆れる想いがしてしまいます。

 75年となると、これだけ登場人物の世代や勢力が、戦国時代を舞台にした小説だと変わるのです。

 実際、「サムライー日本海兵隊史」世界でも、当初の主人公は土方歳三や林忠崇らでしたが、曾孫になる土方勇や「四姉弟」が主人公に、最後の頃にはなっています。


 そして、途中、様々なトラブルもありました。

 よく5年に渡り、書き続けられたものだ、と自分自身でも信じられません。

 本当に温かい目で見てくださった読者の方々に、心からのお礼を申し上げて、終わりにします。

 ご感想をお待ちしています。

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