第30話 ナポレオン6世、簗瀬真琴、防須正秀について
「サムライー日本海兵隊史」では、マイナー人物がそれなりに登場しました。
そんな中でも、何でこの人が、と思われそうな3人についてです。
私だけのことかもしれませんが。
仮想戦記小説、仮想史小説を描く内に、史実を調べることになり、そうしたことからマイナーな人物に気が付いて、この人を自作小説に登場させよう、と想うことは無いでしょうか。
表題の3人は、私にしてみれば、そんな人物になりました。
まず、ナポレオン6世です。
「四姉弟」の名前を決めて、アラン・ダヴーを描いている内に、そういえば、昔、何かの本でナポレオンの子孫が、フランス外人部隊に参加して、第二次世界大戦で奮戦した、というのを読んだな、というのを私は思い出しました。
そして、ダヴーが出てくる以上は、ナポレオンも登場させよう、と悪い考えが起こってしまい。
実家の本の山を崩し、ネット検索を掛け、した結果。
作中でナポレオン6世が登場することになりました。
そして、南方軍集団の一員として、ハリコフ、スターリングラードで戦い、最終的にはアストラハンでカスピ海の畔に、アラン・ダヴーと連れ立って立つという結末に。
ここまで、ナポレオン万歳的な仮想戦記小説になるとは、執筆開始時には思いも寄りませんでした。
次に簗瀬真琴です。
陸軍士官学校卒業生一覧を見て、作中で誰を登場させようか、と悩んでいた際に、目に留まりました。
簗瀬って、確か会津藩絡みの書籍で、会津藩の家老の1人の名字で出てきたよな。
珍しいとまでは言わないが、余りない名字だから、一族の一人かも、と想ってネット検索をあらためて掛けて見たら、驚く羽目になりました。
何と簗瀬真琴の祖父は、幕末の会津藩家老、簗瀬三左衛門で松平容保の家臣だったとは。
(ただ、ネット情報でしか私が知らないせいか、微妙に信憑性に疑問を感じる話でもあります。
何故かというと、簗瀬真琴は1892年生まれなのです。
一方、簗瀬三左衛門は生没年不詳とwiki情報ではなっていますが、1862年に隠居しています。
ということは、1862年時点でそれなりの高齢、具体的には50歳以上では、と推察されます。
そうなると、跡取りの年長の孫が80歳以上になってから産まれたことになりかねない。
本当は曾孫なのでは、と穿った見方を私はしてしまいます)
更に会津中学校出身ということも知り、更に年齢的にもぴったりと合う、という奇跡から。
「四姉弟」との絡みも生まれ、また、中国戦線で、京都守護職を務めた松平容保と自身を重ね合わせて苦悩するという存在にもなりました。
本当に奇跡としか言えない存在になりました。
最後に防須正秀です。
史実でインド独立のために奮闘した、二人のボースを作中で出すことにした際に、周辺情報を調べて、防須正秀の事を知りました。
(なお、史実と異なり、二人のボースは完全に袂を分かち、敵対することに、作中ではなりました)
そして、史実では沖縄戦において、陸軍中尉として戦死されたことを知り、作中では幸せを掴ませてあげたいと想うようになりました。
そんなことから。
作者の暴走と言われそうですが。
沖縄出身の従軍看護婦、上原敏子(なお、この人は全くの架空の人物です)と結婚して、防須正秀は幸せを掴むということになりました。
なお、上原敏子の年齢等は、半ば言うまでもないことですが、ひめゆり学徒隊等からです。
不謹慎のそしりを受けかねない、とも思ったのですが。
ある意味、史実と同様に、大量の戦死傷者を出し、人手不足に苦しむ小説世界の日本の現実を描こうとすると、こういう女性等が戦場に動員されているという描写が分かりやすいもので、安直に走りました。
以上、作中に出て来て、何でこの人が、と思われそうなマイナー登場人物3人についての私なりの紹介です。
他にも何で、という人がいれば、感想欄等で指摘してください。
ご感想をお待ちしています。




