第2話 本当に投稿を始めるのは怖いなあ
そんな大プロットができた後だった、と私は覚えているのですが。
「ゲート」とか、ネット小説が書店でも見受けられるようになりました。
そして、書店の店頭で読んだり、幾つか買ったりする内に、ネットでの小説を読んで、更に「なろう」を知るということになり、自分でも書いてみようかな、大プロットもできているし、「なろう」で投稿してもよいかも、と思うようになりました。
でも、「サムライー日本海兵隊史」の投稿開始を決断する前には、もう一つ、別の問題がありました。
それこそ、私はちっちゃな頃から、色々とある意味、悪食の読書好きだったもので。
記憶頼りになりますが、最初に読んだ仮想戦記は、檜山良昭氏の「本土決戦」四部作だった覚えが。
その後、佐藤大輔氏の諸著作を読み、また、学研の歴史群像新書シリーズとか、谷甲州氏の「覇者の戦塵」シリーズとか、色々と仮想戦記を読みまくっていました。
だから。
下手に小説を書くと、私に悪気は無くとも、そう言った小説の描写等が、半ば無意識の内に出てしまって、盗作云々の嫌疑を掛けられるのではないか、という懸念を抱かざるを得なかったのです。
更に言えば。
アイデア、プロットということについて、どこまで他に取り上げられたものに著作権等が認められるのか、という問題です。
それこそ、太平洋戦争で著名な「ミッドウェー海戦」の史実改変小説にしても、私が思いつくだけで。
高木彬光氏の「連合艦隊ついに勝つ」
豊田有恒氏の「異聞・ミッドウェー海戦」
檜山良昭氏の「大逆転!ミッドウェー海戦」
とかがありますし。
特に豊田氏と檜山氏のは、自衛隊の護衛艦が参戦するというところまでは同じです。
こういった場合、どこまでいいのかな、と私は想ってしまったのです。
細かいこと等、気にするな、と言われそうですが、当時の私は、色々と悩んでしまったのです。
そして、私の小説の大プロットにしても。
それこそ、大日本帝国時代の海兵隊が出てくる小説となると、私が思いつくだけで、高貫布士氏の「大日本帝国海兵隊戦記」、また、少なからず時代がずれますが、谷甲州氏の「覇者の戦塵」シリーズ。
また、日米満鉄共同経営によって歴史が代わる、という商業仮想戦記小説も、複数が出版されていたような覚えが私にはあるのです。
そして、第一次世界大戦で、欧州に日本陸海軍が派遣される、というのは、佐藤大輔氏の「レッドサンブラッククロス」でも出ていたような覚えがある他、商業仮想戦記では、ちょこちょこあった気がします。
そんなことから、これは盗作だ、パクリだ、と指摘されるリスクを、私は警戒し過ぎかもしれませんが、考えてしまい、中々第一歩が踏み出せませんでした。
そして、私の小説で描く時代が余りにも長いことも、ネックになりました。
明治維新直後から第二次世界大戦終結まで、80年近くあります。
林忠崇という長寿の格好の主人公はいましたが、流石に第一次世界大戦終結時点で70歳です。
その後まで、早々、その主人公を引っ張り続ける訳にも行かない。
かと言って、林忠崇には息子はいないので、息子に主人公を代替わりさせて続けられませんし。
そう言った様々なネックから、第一歩を踏み出せず。
(それに当時は、ニコ動でアイマス動画を投稿しようかな、と妙なことを考えていたのもあったりする)
また、私自身に小説を読んだことはあっても書いたことが無いのも、踏ん切りがつかない一因でした。
それこそ、小学生か、中学生の頃、国語の授業で、短編小説を書くように課題が出て書いたことはありますが。
それきりで、その後、少なくとも20年以上、多分30年程、小説なんて書いたことないよ、というのが、私の実態だったのです。