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第16話 スペインに何故に、土方勇志以下のサムライは赴いたのか。

 第7部を描きだした時、実は私の脳内では、スペインに土方勇志が行くことまでは確定していましたが、その規模は未定の有様でした。

 最初は、単なる観戦武官にしようという考えも、頭に過ったくらいです。


 でも、色々と考えた末、「四姉弟」の1人、アラン・ダヴーをスペイン内戦の日系義勇兵として出すことにして、何故にアラン・ダヴーがスペインに赴くことにしたのか、を更に考えた末に、土方勇志は作中の「白い国際旅団」のトップとして、スペインに赴くことになったのです。

 更に言えば。


 それこそ、史実のドイツ軍が、スペイン内戦での戦場経験を踏まえて、成長したように、日本軍も第二次世界大戦前に、どこかで戦場経験を積ませておくことで、第二次世界大戦での日本軍の活躍の描写に違和感を生じさせないようにしたい、というのもありました。

 そうしたことから。


 土方勇志は、70歳近い老骨の身を押して、スペイン内戦に義勇兵のトップとして赴き、スペインの戦野で戦うことになり。

 また、日本海兵隊や日本空軍の面々も、そして、アラン・ダヴーら、日系義勇兵の面々もスペインの戦野で戦うことになったのです。


(それにしても、土方歳三の息子2人(?)が、スペインの戦野で戦うとは、「サムライー日本海兵隊史」の執筆を開始した時点では、全く予定していませんでした。

 本当の土方歳三の息子、土方勇志に加え、自称土方歳三の息子、ピエール・ドゼーが、スペイン内戦において義勇兵として戦うことになるとは。

 作者の暴走にも程がある、と今になって、半ば呆れる想いがしています)


 そこまで、暴走しなくても、ノモンハン事件の前倒し等でも良かったような気がするのですが。

 やはり、アラン・ダヴーを出したい、という私の想いが先立ってしまいました。

 母親のジャンヌ・ダヴーが、いつか私のお気に入りのキャラになってしまい、その息子も出したい、という作者の我が儘が止められなくなっていました。


 そして、スペイン内戦で、「白い国際旅団」のトップとして、土方勇志は戦い、その部下として、アラン・ダヴーはスペインの戦野で戦うことになり。

 その周囲を、石原莞爾や高木惣吉らが固める、ということになっていきました。

 また、トハチェフスキー将軍等も、スペインで戦うという。

 第二次世界大戦の前哨戦に相応しい規模の戦いになりました。

 更には。


 アラン・ダヴーは、女性を知ることにもなりました。

 治安警備隊の若手幹部の妻でしたが、スペイン内戦勃発に伴い、夫と娘を虐殺され、自らも娼婦に身を落とさざるを得なかったカサンドラ・ハポンです。

 内戦の一面を描くために出した女性ですが、後々で、あそこまで濃い関係(外伝になりますが、一度、別れるも、最終的には復縁し、娘と養子も結婚する)になるとは。

 本当に作者も暴走してしまいました。


 ですが、このスペイン内戦を描いたことで、私も完全に腹をくくらざるを得なくなりました。

 それは、この世界の第二次世界大戦では、1940年のパリ陥落は無く、従って、フランス降伏も無い、という流れになったということです。

 スペイン内戦で、この世界では極めてフランス軍と縁の深い日本軍、海兵隊が戦野を駆け巡ったのです。

 当然、その戦訓にフランス軍は注目して、その提供を求めるでしょうし、日本軍も提供するでしょう。

 その一方で、ドイツ軍はスペイン内戦で戦場経験を積むことは無かったのです。


 これだけの歴史の違いがあるのに、史実同様のミスをフランス軍が犯し、ドイツ軍圧勝という流れで、この世界の第二次世界大戦を描いては、あの歴史の違いは何だった、ということになるでしょう。

 それで、私は史実と違う第二次世界大戦を描くことになりました。

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