第13話 いわゆる戦間期について3(主に外国との関係)
完結まで、きちんと緻密な思考をしながら、描き続けたのだろう、
と多大な誤解を私はされていそうですが。
最初の頃に書いたように、そもそも小説を書くのが、ほぼ初めてでしたし、
更に、作中でつい(?)筆が奔ってしまうことも度々でした。
そんなことから、当初の構想は、どんどん壊れていったのです。
特に国際関係に、それは顕著に現れました。
そして、「サムライー日本海兵隊史」世界での第二次世界大戦の予定が、大幅に変わっていったのも、第5部、そして、第6部でした。
第一次世界大戦終結までは、基本的に日本とその周辺レベルで話が収まっていたのですが。
第5部から中国情勢について、本格的に描写していくことになり。
史実について、中国情勢を色々と調べて、それが「サムライー日本海兵隊史」世界では、どうなるのか、私なりに脳内で色々と考えていったのですが。
史実の排日運動は、満鉄の日米共同経営等から、排日排米運動になるだろう。
また、中華民族主義は、韓国の民族主義とぶつかることになるだろう。
それこそ、いわゆる東北工程とかから見ても、それが自然な流れだ。
と私なりに考えました。
そして、満州等において、ソ連は中国国民党、中国共産党に対して親和的存在になり、それを見た米国、韓国は、反ソ感情を高め、日本もそれに巻き込まれるだろう。
そうなると、どうなるのが自然だろうか。
そんなことをつらつらと思いながら、執筆を進めていったのですが。
この頃から、私の筆が滑るというか、奔ってしまうことが起き、後で、やっちゃった、と作者の私が自省するようなことが、国際情勢で起こるようになります。
その最初の頃の一つが、皇帝溥儀の日本亡命の一件です。
中華民族主義の本格的な始まりとして、それなりに描く必要があったのですが。
描くうちに、皇帝溥儀を北京から脱出させ、更に日本に亡命させることになりました。
後になって、これじゃ、満州国皇帝溥儀は無理じゃねえか、と気づいたのですが。
後悔、先に立たずで、今更、どうにもなりませんでした。
そして。
1927年の南京事件勃発に伴う日英米と中国との限定戦争です。
この時、私としては、これを機に日英同盟を復活させ、後知恵と言えば後知恵ですが、世界大恐慌の際にいわゆるスターリングブロックに、日本も加入することで、日本経済を強くする予定でした。
しかし、これまた筆が奔ってしまい。
蒋介石が亡命するという事態にまで。
あれ、これって、完全に日中戦争回避、早期講和ルートを作者の私自身で折ってしまったんじゃ、
と後になって、作者の私の内心は真っ青になりました。
他にも。
ある程度、マンシュタイン将軍が、ポーランド陸軍のレヴィンスキー将軍になって、「連合国軍の至宝」と謳われる存在に後になる伏線を張ってしまったとか。
(1990年代の商業仮想戦記で、マンシュタイン将軍がポーランド陸軍に、第一次世界大戦後に転職してしまい、1939年のドイツ軍のポーランド侵攻に際して、ポーランド軍総司令官となってドイツ軍を阻止して、逆にポーランド軍のオーデル河渡河に成功、この状況から、スターリンが独ソ不可侵条約を破棄して、ポーランドに味方したことから、第二次世界大戦の流れが大きく変わり、それこそ一時的とはいえ、ピレネー山脈を越えて、リスボンにまで赤旗が翻ってしまった作品があった覚えが。
勿論、最終的には、日米英の反撃が成功して、逆にモスクワに日章旗や星条旗が翻るのですが。
題名を忘れました。
覚えておられる方、情報をください)
そんな感じで、作者の私の大プロットがずれていき、当初の予定が変わっていくことになりました。
そんなことから、史実と大幅に異なる満州事変となり、満州国のトップには蒋介石が就任しました。
また、作中では共産中国という名前で誤魔化してはいますが。
中華人民共和国が、史実より遥かに早く成立してしまい、史実以上に泥沼、かつ凄惨な日中戦争、というよりも、日米による対中華人民共和国戦争が勃発する、と言うことになってしまいました。
本当に予定は未定といえない事態になりました。
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