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第10話 この世界では何故に日本空軍ができたのか

 結局のところ、日本空軍が史実では出来なかった理由の半ば裏返しの理由からになります。


 何故に史実の日本が空軍を持たず、陸海軍がそれぞれ航空隊を整備する、という事態になったのか。

 色々と理屈は人によってつくと思いますが、私の見る限り、最大の根本となる理由は、日本陸軍が対ソ戦を第一に考えていたのに対し、日本海軍は対米戦を第一に考えていたことだと思います。

 そのために、それぞれが保有を求める航空機の目的、種類等が食い違うことになり、それが日本が空軍を保有しなかった根本となる理由だと私は思うのです。


 本来から言えば、日本が米ソを共に相手取る軍備を整えることは不可能である以上、どちらかに主敵を絞って、それに合わせて日本は軍備を整えるべきでした。

 でも、史実の日本は、陸軍は対ソ戦を第一に考え、海軍は対米戦を第一に考え、という有様で、ただでさえ乏しい国力を分散させてしまいました。

 そのために。


「サムライー日本海兵隊史」世界では、日米満鉄共同経営により、米国を満州に引き込むことで、日本は対ソ戦を第一に考えることにしました。

 ただ、それでも厄介な存在がありました。

 それは海軍の空母に搭載する航空隊、艦上機の問題です。


 空軍が存在する場合に、海軍の空母に搭載する艦上機、この取り扱いをどうするのか、意外と各国でも揉めています。

 例えば、独に至っては、ゲーリングの存在もありましたが、空母に搭載する航空隊も、空軍の管轄だという主張が為されたくらいです。

 また、英でも一時、艦上機の開発を空軍が握るという、傍から見れば、何でそんなことをするのだ?、と疑問を呈されることが起きました。

 伊でも、空母アクィラを史実で保有しかけた際に、海軍と空軍の間でトラブルになりました。

 そうしたことからすれば、史実同様に日本が空軍を保有しないのが、自然かもしれませんが。


 作中で描いたように、半ば私の趣味から、強引に日本に空軍を持たせてしまいました。

 その際に、明文で憲法改正をすべきだったのかもしれませんが。

 大日本帝国憲法中の「陸海軍」の中に、海兵隊と同様に空軍も含まれるという解釈改憲で済ませました。

 私としては、解釈改憲と言う方法はあまり好きでは無いのですが、そこまでやると、空軍大臣が入閣しないといけないことになり、三軍内で色々とトラブルが起こる気がしてならなかったのです。

 それに海兵隊も独立軍種になりたい、と主張するようになる気もしました。

 そうは言っても。


 日本の国勢上から言って、英空軍がそうなったように戦略空軍化を、第二次世界大戦以前の日本空軍が目指すというのは、私としては不自然な気がしたので、ドイツ空軍が結果的に陥ったように、基本的に戦術空軍と言うことに、「サムライー日本海兵隊史」世界の日本空軍はなりました。

 そして、陸軍の傘下に基本的に空軍がある以上は、本土防空と地上部隊支援を第一に考える存在に、日本空軍はなったのです。


 そうは言っても、対ソ戦を第一に考える以上、そして、米国とは基本的に友好関係に日本がある以上、また、史実と異なり、英仏等からも好意的な目を向けられている以上、日本が対米戦軍備をそんなに考える必要が無いので、いわゆる陸攻等の対艦攻撃機を優先開発する必要は無く、こんな形の空軍で問題ない、と私は考えて小説、仮想史を進めたのですが。


 この後、色々とトラブルが引き起こされて苦労をする羽目になり、読者の方々に心配を掛ける事態にまで至りました。

 考えてみれば、この日本空軍の取り扱いが、その最初の発端になっていった気が、今となってはします。

 作者の脳内では自明でも、読者には分からないことが多々あり、トラブルになったと自省します。

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