狼と一緒
本当に展開が早いと思いますのでおかしな部品があるはずです、拙い文章力でごめんなさい、これからも精進いたしますのでどうかよろしくお願いいたします。
「あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーー!!!」
俺は今、全速力で走っている。なぜかって?魔物に追われてんだよ!!チクショウ!
何でこんな状況になっているかって言うと、やはりあのクソ司祭のせい。部屋に向かう途中あのクソ司祭が俺に転移と思われる魔法を使いやがったのだ。しかも、最後に胸糞悪い言葉を残してなぁ!何が有効に利用するだ!?司祭のあの言葉で俺はキレて殴り飛ばそうとするもそれより先に魔法が発動してしまった。で、気付いた時には森の中に居た。仕方がないので探索してたらこの様よ。フザケンナ!!
「ハァ…ハァ……、クソっ!まだついてきやがる。もう体力限界…」
俺の後ろでは日本ではまずあり得ない見た目の狼が迫って来ている。その見た目とは一言で言うと刃。そう比喩するのは無理も無いと思う。なんせ頭のてっぺんから角、というよりは剣とかの刃を連想させるものが生えているのだから。身体の方も無駄な筋肉が無くスマートかつしなやかなのだ。最早そこまで行くと芸術とさえ思えてくる。
「ハァ…、と。そういえばスキルがあったな」
ここで漸くスキルの存在を思い出す。俺はスピードをキープしながらあの鑑定紙の内容を思い出す。
「ゴホッ!…えーと、確か。《電気魔法》に《火魔法》そして《治療魔法》だったか?あと《調べる》や《言語理解》だな。《調べる》ってのは多分鑑定の下位互換ってところか。とりあえずアイツに使えるか?《調べる》!」
と、振り替えり狼に向けて異世界で初めてのスキル《調べる》を使おうと試みる。すると狼の頭の上に何かが浮かび上がった。それをよく見てみるとこう書いてあった。
【Lv】106
【種族】エッジウルフ
は?!まじかよっ!Lv100越えてんじゃん!勝てる訳ねぇから!どうすんだ、コレ!完全に詰みゲーじゃねぇかよ!てかLvの差が100以上あるくせに中々追い付かれないな…。そう思いもう一度振り替える。追い掛けてくる狼の顔を見ると心なしか下卑た顔をしている。
そして納得する。あぁ、アイツは楽しんでんだなぁ。俺のような弱者を徹底的に追い詰めていたぶることを。それがアイツの狙いかぁ………。と。
そう考えると無性に腹が立ってくる。
何で俺がこんな目に逢わなくちゃいけない?俺は普通の高校生活を送っていただけなのにっ………!何もかも全部あの司祭のせいだ!
こうなったらなにがなんでも生き延びてみせる!
そして一発あの面にいれてやる!
しかし、まずあの狼をどうにかしないことには始まらない。
どうやってこの状況を打開しようか、という思考が頭の中を駆け巡るが上手く纏まらない。
結果…、
(もう考えるの面倒くさくなってきた!もうフィーリングだ。フィーリングで勝負してやる!)
考えることを放棄した。このような場面でそれはほぼ自殺のようなものであるがどちらにせよ埒が明かないので自分の直感を信じることにした。
「イメージイメージ…。掌から火の玉……。『ファイアボール』!」
覚悟を決めた俺はとりあえず牽制として初めて魔法を放ってみる。ぶっちゃけ、ぶっつけ本番で魔法が使えるとは思わなかったが体の中を何かが駆け巡ったと思ったら今度は手に集束されあの司祭が出したような火の玉が手から生成され狼に向けて射出される。
「キャン!?」
距離が近かったこともあり急に放たれた火の玉に狼は反応できずにまともに喰らう。狼が怯んでいるその隙にどんどん距離を離す。
ぅしっ!魔法は効くみたいだな。
「ウォーーーーン!!」
と、立ち直った狼が吠える。そしてその目には先程のような見下すような視線では無く敵として見ている感じだった。
さすがにLv差が開きすぎて致命傷には至らないか。
本格的にヤバイな。怒らせちゃったか。となると諦めてくれるのは無くなったな。しかもさっきより速くなってる。
俺は木々を利用して距離をとろうとするが、狼は関係無しとばかりに距離を詰めてくる。
そしてとうとう両者の差が10mといったところで突如ソレは起きた。