サッカーしようぜ!
「ウェウェウェイウェイウェイ!!」
「? かっけー!!!」
体育の時間になると、俺はすでにヒーローだった。俺の180センチの巨体が園児を蹴散らす。強い。
「俺りょうや!」
イケメン風の園児が俺の前に立ちふさがった!
「俺と勝負しッ……」
──シュバああっン!!
すごい音。
「ゴールゥ!シュー!」
「「「ウェーイウェイウェイウェッ!!!」」
俺のスーパーシューとかが何かにヒットした。
全部言い終わる前に園児が一人死んだ。俺のシューのせいだ。強い。
「やれやれれやれやれʃ」
「強い凄いカッコいい! セイヤくん凄い。すごよねアリスちゃん!」
「ふーん、まだまだじゃないかしら。りょうやくんの方が強い、凄い」
「あれ、りょうやくんは!?」
──せんせー。りょうやくんが倒れてまあす。凄いやばい泡。
「たいへん! やばい大変だね〜」
「あれ? 俺なんかやっちゃいました?!?!!」
──りょうやくん!!
アリスの叫び声によって、りょうやの隠された深淵のエンペラーパワーが覚醒した。
「うおぉぉん。うおぉおおん。ゴゴゴゴゴゴゴゴ。オマエ、コロス」
バーサークゴリラりょうやは強かった。砂埃が凄かった。熾烈を極めた戦いは引き分けに終わった。
「やるな」と俺は言った。
「オマエツヨイ。ヤッパリニンゲンスゴイ」
俺たちは熱い握手を交わし、友情を確かめあった。