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後悔

はむ。


純白の狼が、オセを咥える。

そのままひょこひょこ歩く。


「待て・・・貴様、何者・・・いや、待て・・・待てと・・・?!」


ひゅ


そのまま暗闇に消えてしまった。


・・・



「えと・・・今のは?」


俺が呻く。


「・・・多分・・・見かねた別の神様が、回収に来たんじゃ無いかな・・・悪魔や神全体の面に泥を塗るような恥ずかしい行為、なのだと思う・・・」


フィンが弛緩した様子で言う。


・・・


・・・助かった。


「う・・・く・・・」


安堵と共に、嗚咽が口をついて出る。

マリン・・・


フィンも、レミアも・・・ヴァルナでさえ、その場に崩れ落ち、嗚咽を漏らす。


「マリン・・・愛していたんだ・・・好きだったんだ・・・何で・・・」


俺が・・・フラグを建てたのか・・・?

戦いが終わったら、そんな話をしたから・・・?


そもそも、俺が・・・俺が・・・いたから・・・?

俺が・・・冒険に誘わなければ・・・俺が・・・


「過去形、ですか?」


マリンが、マリンの死体をひきずり、地面の穴に落とす。


「過去形なんかじゃない・・・勿論・・・今も愛している!」


「あ・・・それは、その・・・有り難うございます」


マリンが照れ隠しに笑う。


・・・


あ?


「「「「マリン?!」」」」


俺、フィン、レミア、ヴァルナの声がハモる。


「はい、マリンですよ?」


マリンが微笑みを浮かべる。

え、何で・・・確かに死んで・・・というか、そこに死体があるし・・・?


「あ、私はスキルの効果で、即死しても生き返る事が出来るので・・・あと6回ですけど」


マリンがバツが悪そうに呟く。


・・・


お前、いったい、どれだけスキル持ってるんだよ。


--


「いよいよ明日、魔王城か」


魔王城の近く、森の中。

俺達は潜んでいた。


もともと、ヴァルナの案内による鏡の出口・・・それが魔王城に繋がっている筈だったが、オセが鏡を近くの砦に移動させていたらしい。

つくづくいらん事をする。


一応、また朝駆けを狙い、今夜は休む事にした。


マリンが作ってくれた料理・・・やっぱり、マリンの料理は美味しい。


「本当に心配したぞ、マリン殿。もうあの様な無茶は・・・」


レミアが溜息をつく。


「でも、ダーリンを助けてくれて、本当にありがとう。オセ・・・恐ろしい相手だった・・・」


フィンが言う。


「本当にありがとうな、マリン。命の恩人だな」


俺も礼を言う。

普通、いきなり主人公っぽい勇者を先手必勝って感じで直接殺しに来るか?

戦術的には正しいが、裏ボスっぽい存在にそんな物は求めていない。


「私は、私の愛しい人を護っただけです。例え、私に猫の七生(ストレイキャット)が無かったとしても、私は同じ事をしていました」


マリンが微笑む。


「有り難う・・・俺も・・・マリンを・・・みんなを護るよ」


目頭が熱くなる。


思えば、酷い事をしてきたと思う。

それでも・・・みんな、俺を慕ってくれていて・・・

本当に・・・嬉しい。


魔王を倒す。

勿論油断はしないが・・・オセよりは与しやすい相手。

フィン達との穏やかな未来は・・・目前。

もう、何も怖くない。

みんながいるから。


俺はそっと手を伏せた状態で、差し出す。

マリンが、フィンが、ヴァルナが、レミアが、微笑み、同じく手を差し出す。


「我らのこの手に・・・勝利を」


「「「「勝利を」」」」


あまり大きな声を出すわけにはいかないが・・・それでも力強く、声が、意思が、重なった。

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