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清廉潔白

「エロい妄想をしていたのは、あった時だけか?答えろ」


「昨晩も、色々頭によぎって、自分で慰めておりました・・・うう」


ほほう。


「詳しく実況しろ」


「命令で身体を動け無くされた後──」


とうとうと語りつつ、手が実演を始めた。

・・・命令が強過ぎたか?


「ふむ・・・手伝ってやろうか?まず感度を100倍くらいに──」


「死んじゃいます?!」


ヴァルナが目を見開く。

死なれるのは困るな。


まあ、なんだかんだで、本番まではしない。

フィンが最初、と約束しているからな。


衣服も乱れてきたし、そろそろ止めるか。


「命令を解除する。自由にしろ」


「はう・・・」


ぺたり、弛緩して、ぐったりする。


「すまん、流石にちょっとやり過ぎたか?」


「いえ、大丈夫です──どうせなら手を出してくれれば、取り決めも言い訳できるのに」


後半、不満を滲ませた声で言う。

取り決め?


「取り決めって?」


「えっ・・・あ、何でも無いですよ?」


何か隠しているな。


「何か有るのか?」


「──言えません。魂にかけて誓った約束です。これを言うくらいなら・・・舌を噛んで死にます」


ヴァルナがキメ顔で言う。

魔族って舌を噛んで死ねるのか?


「舌を噛むな、言え」


「夜伽は順番と決まっていて、毎晩1人ずつチャンスが有ります。本番行為は禁止、本番に繋がる恐れのある行為も禁止ですが、強く求められやむを得ない場合は仕方ないとなっています。夜伽の機会がアピールチャンス、昼間はアピールを自粛する事になっています──鬼ぃ」


俺はお前の兄じゃない。


夜伽て。

そして、順番決めてたのか。

道理で1人ずつ、順になる訳だ。


・・・アピールって、1:3だから、レミア不利じゃね?


「・・・まあ、事情は分かった」


ヴァルナは他に何か隠しているのだろうか。


「他に隠している事は無いか?」


「有りませんよ!何時も清廉潔白、裏表がないヴァルナちゃんです!」


「隠している事が無いか、言え」


「耳が弱いです」


特に無さそうか。


「やっ・・・耳は駄目ですっ・・・駄目だって!」


ガサッ


距離をとられた。

仕方がない、まずは動きを封じて・・・耳の感度も上げてから──


「そう言えば」


ぽつり


ヴァルナが話を切り出す。

話題転換を狙っているのだろうが、そこまで世間は甘くない。


「魔将軍オセ、昼間は言わなかったのですが」


「ん?」


「私を産ませた時の父は、母と共に滅びる事を望んでいました・・・ですが・・・」


ヴァルナは、つと目を伏せると、


「次に再誕した時には、その事は欠片も覚えていませんでした・・・母の事も。私が魔王の娘である、という事実だけは覚えていましたが」


それは・・・


「誰かが、意図的に魔王の記憶を消している?」


俺が尋ねると、


「はい・・・そしてそれが・・・」


ヴァルナが自信無さげに言う。


「魔将軍、オセ、か?」


「はい・・・そもそも、無限再誕が根底なる規則(グランドルール)に組み込まれたのも、それが維持されているのも・・・」


オセの暗躍、か。


「なら、魔将軍オセを倒せば・・・?」


「はい。正確には、化身(アバター)を破壊して、この世界から撤退させれば、干渉はできなくなる筈です」


ヴァルナが重々しく言う。

なるほど。


「・・・魔将軍オセが、魔王を手伝って勇者を倒す事が有る、と言いましたね。あれすら、魔王を真に滅ぼし得る力を持つ者を、恣意的に排除していると疑っています」


本当に強い勇者だけ撃退、か。

なら。


「恐らく・・・ヤツは、ご主人様達の前に立ち塞がる筈です」


ヴァルナが、震えている。


「大丈夫だよ、ヴァルナ。オセ如きに、俺は止められない。お前は──魔王を倒した後、その身体で俺を楽しませる事だけを気にしておけ」


「・・・勿論、分かっています」


それに。


「部下達を、フィンの国に連れて行くんだろ?話の進め方も決めておけよ」


「・・・うん」


多分、ややこしいだろうしな。

フィンが色々助けてくれるとは思うけど。


「ヴァルナ、お前は俺の女だ。お前に出来ない事は、俺がやる。俺を、信じろ」


「うん・・・うん」


ヴァルナが力を抜いている。

そっと抱きしめ、唇を奪った。


フィンも、ヴァルナも・・・マリンも・・・そして、友人であるレミアも。

共に抱く大願、魔王討伐。

そしてその障害、魔将軍オセ。


俺は・・・俺達は、オセを、そして魔王を・・・倒す。

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