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報酬がお姫様との結婚という幻想

ぱから、ぱから


街道を行く。

馬に乗って。


理想は、目立たずに魔王領に入り、魔王を闇討ちする事だ。

可能な限り、神器の復活を知られたくない、との事だ。

その為、馬で、お供も連れない、2人だけの旅。


「炎の刃よ!」


レミアが馬上から放った魔法が、オーガーをあっさり焼失させる。

本来ならかなりの強敵なんだろうなあ。


目立たない服装はしているが、中に着込んでいるのは超高額レアアイテムばかり。

最大限の配慮はしてくれている。

資金や宝石もたっぷりと貰っている・・・レミアが管理しているけど。


夜。


宿屋にて。


拒否するレミアを言いくるめ・・・同じ部屋にする事に成功した。

そして今、同じベッドに腰掛け。


「ち・・・近い・・・エイコク殿・・・」


「まあまあ、そう言わず・・・嫌では無いんだろう?」


就寝前の薄着の格好。

肌は紅潮し、汗ばんでいる。

魅了の瞳(チャーム)が絶賛継続中だ。


戦闘時、武装した状態で気が張っている状態と・・・風呂上がり、寝間着での無防備な状態・・・同じ魔法効果でも、耐える難易度は桁違いの筈だ。


そっとレミアの首に手を回す。


「ひ?!」


涙を流すレミア。


「こ・・・困ります、エイコク殿!」


「まあ、報酬の前金、とでも思って欲しい・・・レミアも期待してたんじゃないのか?」


レミアは、抵抗はしていない。

それどころか、力無くではあるが・・・俺に体重を寄せてきている。


そっと唇に──


「駄目です!」


レミアが強い力で俺を押しのける。

く・・・


「すみません・・・でも・・・」


レミアが涙目で俺を見上げ、


「これ以上されたら・・・私は自分を抑えられません。私は貴方が好きで堪らないのですよ」


恨みがましい目で見てくる。


「なら、俺に任せてくれれば・・・」


そっとレミアに手を伸ばすが、


「駄目です・・・私は自分を抑えられません・・・でも・・・私はまだ子を為す訳にはいかないんです・・・魔王を・・・魔王を倒すまで待って下さい」


く・・・お預けなんて・・・


「なら、せめて見たり触ったりだけでも・・・」


「・・・私が我慢できなくなると言ってるんです!」


レミアが真っ赤な顔で叫ぶ。

く・・・


「魔王を倒した際の報酬は、レミアとの婚姻か・・・」


俺が呻くと、レミアは困惑した様に、


「・・・婚姻、ですか?エイコク殿は、元の世界に帰られるのでは」


「いや、俺はこの世界に残って、英雄として君臨させて貰うつもりだ」


「・・・そう・・・ですか・・・」


レミアは目を伏せ、


「褒賞や地位は、望みの物を用意します。望むなら、この体も自由にして構いません・・・ただ・・・」


レミアは顔を上げると、


「魔術は解除して頂きたいのと・・・婚姻は許して下さい。私には許嫁がいて・・・国の為には、その許嫁と婚姻を結ぶ事が必要なのです」


寝取られ来た?!


「あの・・・私以外の貴族で、見目麗しい者であれば、幾らでも用意致します。すみません・・・」


ぺこぺこ頭を下げるレミア。


・・・


魔王討伐まではレミアに手を出すな。

そして、討伐してもレミアは別の男性の元に嫁ぐ。

何これ、酷すぎる。

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