心臓を穿つ存在
「強化、刺突」
俺の魔法で、現われた昆虫の魔物の群れが、死亡する。
魔槍の魔法。
上級魔法だが、十分な威力だ。
延焼等の心配がない事と、手数が多いのが、気に入った。
「心臓を穿つ存在を、触媒無しに発動させているのが理解できないのですが・・・」
ヴァルナが呻く。
「え?千年前の魔王が使っていた魔槍の固有魔法、だよね。ダーリンの固有能力、一体何なのだろうね」
フィンが興味深げに尋ねる。
邪術はともかく、連続魔法を聞かないのは、他人のスキルを詮索するのがマナー違反だからだろうか。
まあ、魅了のおまけの、ただのダジャレなんだけどね。
恋属魔法、と、連続魔法。
「ただ単に、魔法の連続行使、続く魔法の詠唱破棄、使用コスト無視、後続影響カット、だな」
ちなみに、最初の火球で影響を呼び込み、炎上、持続ダメージ・・・的なものは、最初の火球だけになってしまう。
最初に火の光線を飛ばし、続いて残り5属性投げる魔法は、全部飛んだ。
「・・・凶悪な魔法でも、制約が異常で、上級魔術や中級魔術に分類される物が有ります・・・強力無比の固有能力ですね」
ヴァルナが呆れて言う。
そりゃ、俺だってそれなりだと思うが、ヴァルナは純粋に強いし、レミアやフィンの神器は規格外。
比べると、俺の能力はしょぼ過ぎる。
「それより、マリンのスキルが謎なんだが」
空間収納、商人スキル・・・と、異常な数の汎用スキル、それにステータス異常の完全無効化?
「私のスキルは、生活スキルばかりなので。戦闘能力の無さが情けないですね」
まあ、確かに、俺達に比べたら数段劣る。
一般人と比較すると、多分頭幾つか抜けてるけど。
「フィン、レミア、ヴァルナは、強いスキルが有るのか?」
ふと気になって、尋ねる。
「僕には、固有能力は無いよ。スキルは、高速詠唱や魔力回復向上、イメージ力強化、王級魔法資質」
フィンが答える。
資質?
「私は、剣のスキルに、体術、王級魔法火の資質だな。同じく、固有能力は無い」
レミア。
むしろ物理優先か。
「私は各種魔術資質に、幾つかの神級魔法、魔術関連スキルに、武術関連スキルですね。当然、固有能力は有りません」
ヴァルナが答える。
お前、レベル幾つだよ。
固有能力って結構レアなんだな。
「あれ」
マリンが小首を傾げる。
「そう言えば、エイコクさんって、どうやって魔法を契約しているんですか?」
マリンが尋ねる。
契約?
「多分、フィンが」
「レミアの城にあった古文書に」
フィンとレミアが同時に喋り、お互いに顔を見合わす。
「そう言えば、どうやってるんでしょうね。人間の間では失伝した筈の魔法も使ってますよね」
ヴァルナが尋ねる。
いや、普通に、
「使用可能な魔法の一覧を出して、説明とか見ながらブックマーク。後は使う時に指定するだけだけど」
「・・・何?」
「え」
「おかしいです」
レミア、フィン、ヴァルナが呻く。
あれ?




