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勘違いしないで下さいね

夜。

マリンに誘われ、少し離れた場所に。


目的は分かっている。

昼間の訂正か、それとも、金銭関連の取り決めか。


マリンが、普段は絶やさない笑みを、消している。

真面目な話、だ。


いきなり帰らせてくれ、とは言わない筈だが。

今帰られたら困る。

料理の能力に物資の運搬──いや、それ以上に、かけがえのない存在になっている。

別れたくない。


「昼間の件ですが」


マリンが切り出す。

訂正、否定、条件追加・・・どれだろう。


「あんな形になってしまいましたが、勘違いしないで下さいね?」


圧し殺した、感情を伴わない声。

やはり、否定。

・・・そろそろ、潮時か。

都合良く、レミアとフィンから離れた場所に誘い出された。

魅了(チャーム)を使うなら、今!


フィンには、気付かれるかも知れない。

でも、マリンを逃したくない。


勘違いしないで欲しい。

俺にも道徳は有るし、分別もある。

良心の呵責は感じるが・・・それにも増して、マリンは魅力的なのだ。

魅了(チャーム)は、俺に許された唯一の武器。

俺は・・・俺の為に・・・全力を尽くす。


「そうか・・・」


俺は、覚悟を決め、そう頷く。


「別に、あの場を切り抜ける為に、婚約を受け入れた訳では無いですからね。貴方の事が──その──好きだから、一緒になりたいから、受けたんですからね」


あれ。


マリンが真っ赤になって、一気に吐き出す。


「マリン・・・」


やばい、マリンが、込めていた力が抜け、不安と期待が入り混じった目で、見上げてくる。

可愛い過ぎる。


「あの・・・さっきの、私が将来の嫁って・・・本気・・・ですよね?」


「勿論だよ。マリン、嬉しいよ」


そっと腰に手を回す。

じっとりと湿っている。

息が荒い。


・・・俺も、人の事は言え無い。


「お前は、俺の嫁だ。俺に、一生ついて来い」


「はい」


抱き寄せると、マリンが力を抜く。

このまま、続きもできそうだが・・・あまり離れている訳にもいかない。


マリンの、俺の呼吸が落ち着くのを待って、


「戻ろうか」


「はい」


マリンが、喜びを噛み殺す様な顔で頷く。

・・・自制心、自制心。


帰り道。

マリンが耳元で囁く。


「そう言えば・・・私はスキル、『耐性:すべて』が有るので、魅了は効かないですよ?」


ちくしょう。

俺の唯一の武器が。


と言うか、マリン、スキルポイントおかしくないか?

どれだけスキル有るんだ?


--


深夜。

不寝番。


今日は、レミアとペアだ。


フィンかマリンなら、適当にセクハラしていれば終わるのだが・・・

レミアとだとそう言う訳にはいかない。

正直、会話に困る。


「なあ、レミア」


眠いのだろうか。

俺にもたれ掛かり、無言でいたレミアに声をかける。


「ひゃ、ひゃい?!」


「レミア、胸を見せてくれないか?」


「な?!」


レミアが姿勢を正し、こちらを見る。


「勘違いしないでくれ。これは、魔王を倒す為だ。俺への想いを募らせれば、それだけ魔王を倒すのが容易となる」


「・・・それは・・・そうなのだが・・・」


やはり上手くいかないか。

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