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中に入りたいな

「じゃあ、食料を買い込んで、いっぱい積んでいこう」


俺はそう宣言した。

長期保存がきく干し肉や乾パン。

この街は、旅の準備を整えるには便利な街だ。


--


「こね・・・こうか・・・?」


「エイコクさん、上手ですよ」


パン作り。

自身もパンを作る手を止めず、マリンが褒めてくれる。

可愛い女の子に褒められて、結構素直に嬉しい。


レミアとフィンは、見学モード。

自分達が作るより、俺達が作った方が美味しいから、と。

俺と、レミア達に、腕に差は無いからな?


何でパン作りかと言うと・・・


マリンの固有スキルは、異空間に収納した瞬間に、時間が止まることが分かったからだ。

乾パン等も当然積むが、少しは美味しい物を、と。

炊いた米に、焼きたてのパン、熱々のスープ。

少しだけ持って行く事になったのだ。


時間が止まる、ってのも異常らしく、レミアもフィンも驚いていた。

ちなみに・・・本人が死亡すると、2度と出せないらしい。

黒獅子シリーズ・・・

そもそも、マリンが死ぬ様な状況にはさせないけど。


「後は、焼き上がるのを待つだけですね・・・他に積み込む荷物は?」


マリンが尋ねる。


「持ってこさせた」


フィンが、兵士に運ばせたのは・・・乾パンに、水に、ワインに・・・


「多過ぎるだろう」


レミアが呆れた様に言う。


「持てるだけで良い」


フィンが小首を振り、言う。


「領主に出させたのか・・・追加の罰的な」


「別に、食料の供出は、罰と言う訳では無いよ」


俺の言葉を、フィンが否定する。


「魔王討伐は、この世界の悲願だ。どちらにせよ、協力は惜しまないさ」


レミアが言う。

そう言えばそうか。

・・・流石に、家宝は気になるだろうけど。


「入りました」


食料を収納したマリンが言う。


「「入ったのか?!」」


レミアとフィンが驚く。


「・・・何故、貴方の様な方が、在野で宿屋を経営しておられるのか・・・」


兵士ががっくりとして言う。

チート能力者くらい、探せば意外と居るんじゃね?


「後は・・・矢とか、槍が欲しいですね」


マリンが呟く。


「矢や槍?どうするのだ?」


レミアが尋ねる。


「こうします」


マリンが壁を指差し、


すこん


壁に矢が刺さる。


「収納物が出る速度と方向を制御すれば、投擲武器くらいなら扱えます」


マリンが淡々と告げる。


「やっぱり、お前非戦闘職じゃないよな」


俺が呻く。

コスパは悪そう・・・いや、水や石でも良いから、絶対戦えるだろ。


結局、銀矢や火矢、火薬、衝撃で爆発する宝玉・・・オリハルコンの槍やミスリルの槍、魔剣等、幾つかの強力武器が格納された。

普段はマリンは戦う必要が無く、いざという時に使うなら強い武器が良い、という判断だ。


--


ガサ・・・


鬱蒼とした森を歩く。


「街道を歩きたい・・・疲れた・・・」


「エイコク殿・・・街道を行くと魔族に見つかる、と説明したではないか」


俺の嘆きに、レミアが困った様に言う。


魔族領。

魔王復活後、魔族に負け、支配された地。


街道まで監視が徹底している訳では無いが、偵察や監視用魔物は居るらしい。

で、警戒が薄そうな森の中を進む。


「少し休憩されますか?」


マリンが心配そうに言う。

マリンはメイド服から、動きやすい服装に着替えている。

基礎体力が剣士だからだろう、俺と違って疲れた様子は無い。


「マリンのアイテムボックスの中に俺を入れてくれよ」


「無生物じゃないと入らないですよ・・・」


俺の頼みを、マリンが切って捨てる。


「マリンの中に入りたいな」


「・・・日が高いうちから何を言ってるんですか」


耳元で囁くと、何を想像したのか、赤くなって怒るマリン。

日が沈んだら良いのかな?

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