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報連相

まあ。


とりあえず報連相。


連絡の魔導具を取り出すと、コールを押す。


『エイコク殿、どうしたの?』


「フィン・・・ごめん、貴族と揉め事を起こしたっぽくて」


『分かった。でも、相手の地位の剥奪と領地の没収、一族郎党の処刑は、もう少し後で良いかな?』


「ごめん、色々と待って」


色々と待って。


『それで相手は?』


「えっと・・・寝てる」


『分かった。そっちに向かう』


通話が切れる。


「・・・多分、もうすぐ仲間が来ると思うから・・・少し待ってて下さい」


俺はメイドさんと優男、そして他の客に、そう告げた。


--


「うん、確かに寝てるね」


つんつん、とレオとやらをつついたフィンが言う。


「綺麗な魔法のかけ方・・・エイコク殿、更に腕を上げたようだね」


フィンが嬉しそうに、笑顔で言う。


「あの・・・」


メイドさんが、困った様にフィンに話しかける。


「気にしないで、もめ事が起きた件は構わない・・・ただ・・・そもそも、何故こんな事が起きたの?」


店の方を見回し、尋ねる。

俺が経緯を説明すると、


「成る程・・・此処の領主はフロスガルと癒着しているのかも知れないね」


フィンが残念そうに言う。


「・・・フレアロルさんからも良く来ます・・・」


店主?

先程責任者っぽく話していた男が項垂れて言う。


「お父様・・・」


「大丈夫、マリン、下がっていなさい」


最初のメイドさんが店主っぽい男に手で制される。

マリンちゃんと言うのか。


「傘下の宿屋が増えたな、とは思っていたけど、そういう事情があったのか」


フィンが頷く。


「そうだな・・・フレアロルもフロスガルも問題有りそうだし・・・今日は此処に泊まるか?」


俺がフィンに尋ねると、


「ん。此処は宿屋でも有るのか・・・なら丁度良いね、そうしようか」


フィンが頷く。


「おい、これはどうした事だ?!」


兵士がぞろぞろと店の前に来る。


「我が息子のレオに乱暴をはたらいた者が居ると聞いたが・・・貴様等か?」


兵士が道を開け、厳ついおっちゃんが入ってくる。


「ああ、トラム。丁度良かった。今、ちょっとした悪い噂を小耳に挟んでね」


フィンが気さくにそう言うと、トラムの方に歩いて行く。

トラムは厳つい顔のままで固まっている。


「おい、貴様、無礼な──」


注意しようとした兵士を、トラムが思いっきり蹴倒す。


「・・・これは・・・フィン様・・・先程振りで・・・ございます・・・」


トラムが青い顔で、膝をつき、頭を垂れた。


--


「・・・これは・・・フレアロルで食べた料理より・・・珍しい・・・」


メニューの此処から此処まで1つずつ。

そんな注文をしたレミアが、1口、また1口と、驚き、賞賛しながら食べている。

日本の料理だから懐かしいんだけど・・・それ以上に美味しい。


「有り難うございます」


マリンが頭を下げる。


今日は結局貸し切り状態になった。

俺達以外の宿泊も断らせてしまったのだ。


「これは貴方が料理したの?」


フィンが尋ねると、


「はい、料理は昔から得意なんです」


マリンが微笑む。


「このメイド服もマリンさんが作ったのか?」


「はい、裁縫も得意なんです」


マリンが微笑む。


「メイド服?」


フィンが尋ねる。

あ、メイドって表現、この世界に無いのか。


しまった、という顔をする、俺と──マリン。

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