第七話 戦慄とレベルUPと強盗と
「そんなことで死ぬのかよ……。冗談抜きで【幸運】シリーズヤバいな」
戦慄する優人。確かに自分はただ転んだだけなのだから、それでも都合が良い展開になるというのは少し恐怖もあるのだろう。
《まあ、君の前世の不幸度に比べれば全然マシだと思うけどね》
ふふふっと笑う女神。かなり酷いことを言っているようにも思えるが、事実なため反論できず歯噛みする優人。
《そういえば、君は初めて人型の生物を殺したようだけど、気分はどうなのかな?こういう異世界系のラノベだと罪悪感に駆られるタイプや、何も感じないタイプがいるけど。様子を見てると後者っぽいね》
「うっせ、人を冷血漢みたいに言うな!つーか、そもそも自分で殺したっていう実感ねえからなぁ。それに、そもそも『人』を殺したのは初めてじゃねーよ。知ってるくせに……」
人の古傷をピンポイントで抉る女神に、優人はため息をつく。
《そういえば、君、第三次世界大戦の引き金を引きかけたこともあるもんねっ!!》
「ねえよッ!!さすがにそれはねえよッ!!!……無いよな?」
女神の虚言を否定するも、最後の方ちょっと自信なくなっている優人。
《あ、そういえばさ、ゴブリンを倒したから君のレベル上がってると思うんだけど、どうかな?》
「え?レベル?そう簡単に上がるのか?」
いくら1レベルとはいえ、さすがにゴブリンを一体倒した程度では上がらないだろうと思い、優人は聞き返す。
《頭にレベルアップ音響かなかった?私と似たような声なんだけど》
「あー、あったような……」
優人はあまり覚えていないが、確かに気絶する直前に女神に似た声が聞こえている。優人はよく聞き取れなかったが、恐らくレベルアップを告げていたのであろう。
「じゃあ、見てみるか」
《うん、『ステータスオープン』絶叫だねっ!!》
「いやしねえよ!?【真天眼】で見ればいいんだろ!!流石に騙されねえっつうのッ!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
新橋優人 人間 十五歳 男 状態:通常
レベル:1/100
体力:25
筋力:25
魔力:25
知力:25
耐力:25
敏捷:25
アクティブスキル
【神託:4】←NEW
パッシブスキル
【万能】
【不屈:5】
【自動翻訳:10(MAX)】
【言語理解:1】
【幸運】
【強運】
【豪運】
【激運】
【天運】
【神運】
ユニークスキル
【?????】
【????】
【真天眼】
称号
【神童】
【オールラウンダー】
【恐怖する者】
【絶望を知る者】
【??】
【神のお気に入り】
【異世界人】
【幸福の加護】
【転生者】
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ん?レベル上がってなくねえか?」
パッと見何も変化はない。レベルは依然1のままだ。
《いやいや、ちゃんと上がってるよ。ほらここ見てみてよっ!!》
【神託:4】←ここ
「多分それ違う!違わないんだけど違う!!多分それゴブリン関係なく、お前との会話で上がってる!!いや、確かに、確かに3から4に上がってるけども、絶対意味ねえだろこのゴミスキル!!!」
《いやいや、そんなことないよっ!!魔力100で15秒話せるようになったんだよっ!!》
どこか自慢げに、そして優人からは見えないが恐らく胸を張りながら威張っている女神。
それだけなら微笑ましいのだが。
「魔力消費そのままじゃねえか!結局使えねえよッ!!つーか、そもそもお前と会話するためだけにわざわざ魔力消費するわけないだろ!!」
《……そういえば、ゴブリンの剣は回収しなくて良いの?》
「おいてめえ人の話を聞けお前が振った話だろうがッ!!!……まあ、回収するけど」
優人はため息をつきながら、ゴブリンの手を開かせ剣を奪う。やっていることはほぼ完全に強盗殺人だ。
「さて、一応見てみるか」
ゴブリン、それも石がのどに詰まって死ぬような雑魚なので、大した期待はしていないが、それでも【幸運】シリーズの恩恵で剣が業物の可能性があると思い、【真天眼】で鑑定する優人。
『どうのつるぎ』 青銅で出来た剣。錆びているため攻撃力が下がっている。攻撃力10。価格180G。
「ド○クエ好きだなオイ!!!」




