第十一話 厨二と気楽と絶望と
続いて優人は相手自身のステータスを見る。
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シュヴァルツ ゴブリンキング 五歳 雄 状態:通常
レベル:1/80
体力:230(+115)
筋力:228(+114)
魔力:179
知力:194
耐力:250
敏捷:180(+90)
アクティブスキル
【剣技〝スラッシュ〟】
【剣技〝ソニックブレイド〟】
【剣技〝フライスラッシュ〟】
【剣技〝ダブルスラッシュ〟】
【剣技〝フラッシュカウンター〟】
【剣技〝ソードストライク〟】
【剣技〝ハイスラッシュ〟】
【火魔法〝ファイアボール〟】
【火魔法〝ファイアアロー〟】
【火魔法〝ファイアウォール〟】
【雷魔法〝サンダーランス〟】
【威圧:2】
パッシブスキル
【剣技:7】
【覇気】
【支配:3】
【火魔法:3】
【雷魔法:1】
称号
【突然変異】
【ゴブリンの王】
【率いる者】
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優人は更にスキルなどの詳細を鑑定しようとしたが、ゴブリンキングが何やら語り始めたので中断する。
「ふん!我の威圧により声も出ないか。まあ仕方がないだろう。心して聞け!我はシュヴァルツ、蛮族を統べる王なり!!貴様は矮小な人間にしてはそれなりの使い手と見た!我と勝負せよ!!」
口上を述べるゴブリンキング改めシュヴァルツ。ドヤ顔である。その威風堂々とした態度に優人と女神はドン引きなようだ。
「うっわ、厨二降臨したんだけど 」
《イタイねっ!!超イタイねっ!!》
シュヴァルツに分からぬように神代語で笑い合う二人。名前も厨二を感じさせる。
優人は、女神も十分同類だと思ったが口にはしなかった。
《でも、強いのは確かだよ。【慈悲無き痛撃】を使った状態での【剣技〝スラッシュ〟】ぐらいしか勝ち筋ないんじゃないかな》
「確かにな。にしても、何で二日目でこんなヤバそうなやつと遭遇しなきゃいけないんだよ……」
溜息をつく優人。異世界に来てから一時間に一度は溜息をしているかもしれない。
《多分【神のお気に入り】と【幸福の加護】のせいじゃないかなっ!!》
「だから消せと散々言っただろうがッ!!!」
優人はお気楽な女神に怒鳴る。女神は遊び気分なのかもしれないが、優人にとっては文字通り死活問題である。今までも『運が良かった』から助かっていたものの、死んでいた可能性だって十分にある。
《そんなこと言ってぇ。実は嬉しいんじゃないのっ!!ラノベの主人公みたいでさ》
「何でだよッ!!おい見ろ!見てみろよ俺の眼を!!この真っすぐな目を!!そんな浮かれたことを考えてるように見えるか!!!こっちは必死なんだよ!!!」
必死に訴える優人。だが、女神はどこ吹く風と言った感じで。優人に口撃する。
《……この世界。『真にして神なる新世界』は七柱の原神、『崇高なる七つの神々』によって管理されている》
《何億もの年の間、調和はとれていた。だが、ある時、『崇高なる七つの神々』の七柱の内『破壊神ゼロ』『命天神レイ』『死乱神ブレ』が裏切ったことにより、世界は混沌に包まれた》
《三柱の眷属である『邪影恐夢霊』の猛威は一般人の女子供にも及んだ。『邪影恐夢霊』の力に目を付けた秘密組織『ダークジーティンガー』と言う新勢力も生まれ更なる無秩序に》
《そんな危機に『崇高なる七つの神々』は対応策を考える。そして彼らは『彼』を送り出すことを決めた。『創造神ノヴァ」の子孫であり『相反する禁忌魔法』や『塞讎契戴』を使いこなす『秩序を創る者』のリーダー。通称は『究極狩人』。そう、この俺。新橋優人を》
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やぁぁぁぁめぇぇぇぇろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
優人の中二時代の黒歴史を語る女神。優人は耳まで真っ赤に染めて、聞き分けのない子供のように叫びだす。
無視されて怒っていた蛮王はいつの間にか優人から遠ざかって、引き攣った笑みを浮かべていた。
《多分、良く分からない言語を一人でぶつぶつ言って、叫んで、挙句の果てに頭を抱えて発狂し始めたからじゃないかな》
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やぁぁぁぁめぇぇぇぇろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
普段の優人なら
――お前のせいじゃねえかッ!!というか、俺に降りかかる災難て十中九十お前のせいだよな!?
くらいのことを言い返していただろうが、今はそんな気力は無いようだ。
そんな優人に女神は止めを刺す。
《じゃあ頑張ってゴブリンキングを倒してよっ!!『究極狩人』さんっ!!》
「がはっ……」
ゆうとは めのまえが まっくらに なった!




