脇役をあなたは知らない
ラブコメ的モテ男や、人生を退屈そうにしている男、気高く振舞っている女子、そんなどの小説や漫画の中にいる主人公や、そのヒロイン達をスポットには当たるだろうが、どうだろうか、それ以外のもの達、王道以外の主人公、つまり、主人公たちを補佐する脇役たちに今回は主人公になってもらおうと思う。
第1章
市立冴山高校はいつもと同じ日常が送られていた、高校2年3組の岸本信安(なんとも脇役にいそうな名前である)は、ラブコメ的主人公にありそうな成田桐斗(なんともラブコメ的主人公名前である)から相談を受けていた。
成田「昨日、実は同じクラスの原野に告られたんだ、けどまだ返事をしてなかって、どうしたらいいと思う?」
岸本「お前、好きな女子いたよね、原野のこと?」
成田「うんうん、違う、4組の女子だよ、吉原さん、だからどうしたらいいかわからなくて…、俺は原野のこと嫌いじゃないし、だからといって吉原さんのことを諦められないし、ねぇ、どうしたらいいと思う?」
岸本「どうしたらって…」
ここまでは王道パターンであるが、この岸本という男の心情はどうだろか、普通の脇役ならばこの作品の主人公にはしていない訳である、さて、話を戻そう。
岸本「どうしたらって…」
(知るか、またそういう話かよ、どんなけ俺の周りは告ったり告られたりがこんなに多いんだよ、ちょっとそれをおれに分けてくれたっていいじゃないか、だいたい…)
成田「ノブ(岸本のあだ名である)?」
岸本「あぁ、ごめんごめん、そうだなぁ、キリト(成田のあだ名である)はまだ吉原さんのことが好きなんだろ?だったら、キリトが今一番どうしたいかわかってるはずだろ?なら自分の気持ちどうりに動けばいいんじゃないかな?」
成田「うん、わかった、ありがとうノブ、また相談しにくるね。」
岸本「うん、わかった、キリトも頑張ってな。」(もう、一生くんなよ、本当にラブコメの主人公みたいなやつだな…)
お分かりいただけだだろうか、この岸本という男は脇役を演じているのである、なぜこんな脇役なのという役を演じているのかというと、ただ単に単純な動機である、いじめられにくく、学校でも下に見られることはない立ち位置だからである。しかし、この役は大変な役であった、毎日のようにくる相談、毎日放課後に行くカラオケ、その料金も計り知れない、お小遣いなど到底追いつかず、バイト生活を送る始末である、そんな岸本がなぜこの物語の主人公になったのかは…、彼がゲスいからである。
岸本信安の物語はある、転校生が来る所から始まる…