表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/37

芽吹き

お待たせしました…!


ブックマーク、評価、ありがとうございます!!


朝。


ジェシカが呼びかける声で目を覚まして、

淹れてくれた紅茶で口を潤します。


身支度を整えながら今日のスケジュールを確認。といってもここに来てから特に変わったことはないのですが。

窓から暖かな日が差し込んで来ると今日は良い1日になりそうな気がしてきますね。


その後、殿下と朝食をご一緒します。



殿下とのお食事は毎日ではないものの、もう慣れたものでそこまで緊張せずに会話もできるようになりました。


内容は他愛もないことで。

わたくしは専ら季節のお花や植物学のこと、辺境の地でのこと、殿下は他国のことや王都で流行っているもののことなどが多いでしょうか。


最近輸入されるようになったというガラス細工が興味深いです。



「そうだ、今度王都に行こうか。シアラの気晴らしにもなるだろう。」


「え⁉︎いえ、殿下はお忙しいのに申し訳ないですわ」


恐縮してお断りしたのですが「俺も休憩したいから付き合ってくれると嬉しい」と言われてしまって…


「では、お時間ができましたら、ぜひ」と言うしかありませんでした。


一国の王子に時間を割かせるなどあってはならないことだとは思うのですが……少しワクワクする気持ちは否めません。


「そうと決まれば」とものすごい勢いで朝食をたいらげて執務室へ向かう殿下と入れ違いで、アデルお姉さまが迎えに来てくれたので、わたくしもはりきってお仕事をしましょう!





セイント・リリーフのある小さな裏庭もぽかぽか陽気が気持ち良いです。


水をやるとキラキラ光を反射して、とっても綺麗…



「あら?」



土からひょっこりと緑が顔を覗かせています。



セイント・リリーフの芽がでていたのです!



「わぁっ!お姉さま、見てください!芽が出てますわ」


「あらホント!良かったわね、すごいわシア!!」



ひとまずきちんと芽が出て良かった…

まだ小さな芽ですが、この植物は目を出してからの成長が早いという文献もありましたから、気を抜けません。


地面に手を当て、力の流れが問題ないのを確認してから、小さなその存在を見つめます。

そうしていると、ぽつりと、口から思わず言葉がこぼれ落ちて。



「……本当に、セイント・リリーフは、人を救う力があるのでしょうか……」



何も言わず肩をそっと抱いてくれたお姉様に少しだけよりかかり、複雑な想いを口の中でなんとか嚙み潰しました。



「…これで、無事にお仕事が終わればお家に帰ることができるわね。父様達も首を長くして待っているわよ!」




あ……そうでした。


花の育て主としてのお仕事が終わって王妃さまが回復されたら、わたくしの役目はおわり。


もうここにいる必要も、ないのです。



先ほど飲み込んだはずの苦いものがまた芽吹いて胸を襲い、キュッと手を強く握りしめたわたくしの髪を強く吹いた風がさらっていったのでした。

お読みくださりありがとうございます。



王子が今の所予定より不器用じゃない…

タイトル詐欺になってる気がしなくもないです

誠に申し訳ありません。


今後に期待ということでひとつよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ