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真意はこうです

お待たせしております。



「なんだ、花畑に行きたいということか」



「王宮からでたい」と言ったのをお姉様が殿下とお義兄様のいる執務室へ伝達魔法で伝えてくださった後のこと。


部屋に戻った直後に肩で息をした殿下が飛び込んでこられたので、慌てて事を説明したのでした。


あまりにもドンドンと扉がしなる程激しくノック(?)されたので、よくわかりませんが敵襲かと思いましたよ……


ジェシカが淹れてくれたお茶を飲んで殿下も少し落ち着かれたようです。


もっとも、何故かあまりにも狼狽した殿下にお姉様が冷ややかな目線をやって「人の上に立つものであるならば、いかなる時も冷静になさいませ」と言葉の槍を繰り出したおかげもあるかもしれませんが。



「王妃様のお見舞いに、お花を持っていきたいのです」


ずっと臥せていると王妃様の仰っていたように気も滅入りますし、何より元々お花がお好きと伺ったので。

少しでも気分がほぐれるかもしれません。



もちろん、外から持ち込むものですから検閲も必要ですし、そもそもわたくしが今外に出られるのか、近くに花畑があるのか、など色々クリアしなくてはならない事が多いので可能であれば、という感じなのですが…



殿下は口元に手を当て少し考える素振りを見せた後、「それであれば、王宮の裏門から少し行ったところの湖畔に小さな花畑があったはずだ。今から行こうか?連れて行く」そう言って立ち上がりました。


「はいっ?え、今からですか?」

「善は急げと言う」

「でも殿下、お仕事は」

「それは問題な《くないですよ〜殿下〜今すぐ戻らないと殿下の行動を逐一陛下とチェスター辺境伯に報告しますからね〜あとアランディオールという名前であらぬ噂を城下に流しますからね〜》」

「後半は完全にただの嫌がらせだろう!」


いつの間にやら伝達魔法を繋いでいたお姉様のそばからお義兄様の声が聞こえてきました。…どこか恨めしそうです?


そこで、お姉様がクールに言い放ちました。


「お仕事を放って来ましたわね?殿下」

「…………」

「シアは責任感の強い子ですから、そうでない男は問題外かと思いますわよ?」

「ぐ……ッ」

「ほほほほ。あたくしがシアに付き添いますわ!ですが王宮の外ですから、念のためもう一人護衛がいてもいいかもしれませんわ。」


「ノエル達はこの時間は近衛の訓練の最中だな……ちょうど今まとめている書類の関係で近衛隊に用もあったし伝えておく」


「……ノエルお兄様が訓練をなさってるのですか??」


「………そうだ」


訓練されているお兄様……さぞ凛々しいのでしょう!


「…行くか?」

「はいっ!」

お兄様の格好良いところ、見たいです、ぜひとも!



「…妬けるな………」

「はい?」

「いや、なんでもない。まぁ自身の兄がいる近衛隊を見学に来たということで今ここに住んでいることがばれるわけでもないし、問題ないだろう」


その言葉にぱあっと気分が一気に浮上して。


「殿下…ありがとうございます!!」

「…………………っ」

殿下が口元を覆ってご自分のお腹をドスドスと殴っています。どうされました?新しい訓練か何かでしょうか。



「シアー、ダメよー殿下に笑顔を振りまいちゃ」

「え?でも、お兄様が訓練されてるところなんて、なかなか見られませんもの!それにお姉様と一緒ですから嬉しいです!」

「いやぁぁぁシアが天使すぎるぅう!行きましょ行きましょ!!」




「はぁ…最大の敵は身内か……」



お姉様がわたくしの肩を抱いてズイズイ進んでいくその後を、殿下がため息混じりに何事かを呟きながら着いて来られるのでした。



お読みくださりありがとうございます。


敬語で描くのがいまだ少し違和感がある…

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