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殿下の変化?

タイトルはただ韻踏みたかっただけです(笑)




土の様子が良さそうだったので、頃合いを見て殿下を訪ね、そのままセイント・リリーフの種を取りに宝物庫へやってきました。

ここからはまた殿下と私の2人で進みます。



外で待機するお姉様がわたくしの手をキュッと握り、気をつけて!と案じてくれますが、気をつけるとは何のことでしょう???



「殿下と2人だなんて…。シア、危ないと思ったら叫ぶのよ?」

「お前は俺をなんだと思っている、アデル」


「あら、お聞きになりたいですか?」にこっ


「…………………いや、いい」


「大丈夫ですわ、お姉様。殿下がいてくださいますから何も危険はないかと」



そう言うと、殿下は「だから、そういう意味ではないと思うが」とため息混じりに呟く殿下に対し、お姉様は2、3瞬きをしてからそれはそれは美しい笑顔を浮かべました。


「随分、信頼されておいでで。」

「笑みが壮絶すぎるだろ!も、もう行くからな!」




ギィッと音を鳴らし開いた扉をくぐると、あの階段が。


パタンと背後で扉が閉まると同時に、先に一段降りた殿下がスッと手を差し出してくださいました。



「シアラ、手を」



えぇっと…、わたくし、今日は庭に行って作業をしますから足裁きの悪い服ではありませんよ?


「あの、わたくしなら大丈「しっかり掴めよ?」」


はい、断るという選択肢はないのですね。

恐れ多いですが、かしこまりました。



わたくしがやんわり乗せた手をキュッとしっかり握り返し、殿下は先日よりゆっくりと降りて行きます。

歩むテンポをあわせてくださってるのでしょうか…?


手から心遣いがじんわりと伝わって、なんだか宝物庫までの階段がこの間とはまるで違う雰囲気を帯びているよう。


「…着いた。入るぞ」



辿り着いた宝物庫の種は、変わらぬ姿でそこにありました。


「貴方に押しつけるような形になってすまない。これを…セイント・リリーフを、改めてよろしく頼む。」



そう言って渡された種は、想いの分も重みが重なったように感じます。



宝物庫から種を持ち出したあと、戻る道も同じように手をとってくださいました。



「そういえば…殿下は、姉と仲がよろしいのですね」


先ほどのやりとりを思い出しながら何気なく聞いてみると、「いや、それはないぞ!だが、あいつにはデヴィッド共々世話になってるからな…」だんだん尻つぼみになっていますよ?


あまり強く出られないだけだ、と憮然とした顔で話すのがなんだか子供のようでちょっとだけ可愛らしいです。


くすっと笑ってしまったわたくしに「…笑うな」と拗ねたように返されますが、怒ってはいないというのがチラリと振り返った表情でわかったので、くすくすと笑が止まりません。



いつ不敬罪になるかと慄いていた時に比べると、このリラックス感は不思議なほどです。



それから、他愛ないことをポツリポツリと話している内にあっという間に出口です。



扉が開く瞬間、手にした種を胸にそっと抱きしめながら何故だかもう少しお話したかったなぁなんて思ってしまったのは、心の内に留めておきましょう。

読んでくださりありがとうございます。

もどかしいなー



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