表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/37

土作りと夕焼け

待ってくださってるでしょうか⁉︎

おそくなりすみません!



殿下の仰った通り、夕方前には土が届きました。



「ふーむ」


今は土に触れしっとりと湿気が伝わってきたのを確認して頷きます。

うん、水分多め、栄養たっぷり健康な状態の土のようですね。よしよし、これなら。



もともとの力の流れが壊れないよう土を合わせブレンドしていきます。


さじ加減が難しいですが、この時に微弱ながら魔力を練り込むと、綺麗に咲いてくれることが多いのです。

これがわたくしが花を咲かせる能力があると言われる所以。大したものではないので、きっとみなさんは試してみたこともないだけだと思いますが…




「ふぅ…っ」




丁寧に丁寧に、これから我が子同然の花の種を預けるお母さん代わりの土に、優しくお願いをしながら……



「ふぅ、よし……。こんなものですかね」



これで一晩寝かせて力が馴染んでいれば、明日には植えられるでしょう。



この作業、集中するので結構疲れます。

額の汗をぬぐいながら立ち上がると、お姉様が汗を拭いてくれ、ジェシカが飲み物も注いでくれました。



そう、お姉様は護衛も兼ねて、わたくしに付き添ってくれることになりました。


事情を明かす人を増やせないですし、ノエルお兄様は近衛隊長として陛下についていらっしゃることが多いですし。

そうなると、事情を知っていて護衛もしてくださりそうなのはイアン様ですが…

「わたくしがイアン様のお時間がある時に合わせて動くようにしましょうか?」と言ったら、お兄様とお姉様が笑顔で怖い顔になり(器用ですね)、「イアンて呼んでるの?ふーん?」「シアラに頼られるとかムカつくわぁ」「はは〜イアン殿死んだね☆」という謎の会話になり、結局お姉様がいてくださることに。お姉様もとってもお強いですものね。



そんなことは関係なく、お姉様がそばにいてくれるとお嫁に行く前に戻ったようでとても楽しいです。


少し休憩…と、お姉様やジェシカとのどかなお茶タイムを満喫している時、視界に紅い色が弾けました。



庭の隅に植えたリュダシスの蕾。



こちらは咲く手前のものを持ってきたおかげもありますがもともと少ない水でごくごく短い間咲く花なので、すくすく順調に育っています。

そろそろいいかもしれませんね。




顔を上げると、夕焼けで赤く染まった空が広くて……

あぁここは家じゃない、外の世界なんだなぁって改めて感じました。

ずっと引きこもってばかりいたので家以外で空を見ることがとても不思議な感覚ですが、嫌な感じはしませんね。



…さて、あとで殿下に会いに行きましょう。



お読み頂きありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ