僕が物語を書く理由
掲載日:2015/12/15
「どうして物語を書いているの?」
って、言われたことがある。
どうして。どうしてだろう。
解らなくて、僕は適当に
「生きてるから」
って、答えた気がする。
「あなたの趣味はなんですか?」
それは、僕の一番苦手な質問。
その後には必ず、
「どうしてそれを始めたのですか?」
なんて、聞かれてしまうから。
僕の一生は回り回って、
気付いたら十六歳になってしまった。
十六歳。十六年。
いい子に、真面目な子に、優しい子になるように生きてきた僕の、集大成が今の「僕」だ。
「つまんないやつ」って、言われたことがある。
「まじめなやつ」って、笑われたことがある。
「役立たず」って、怒られたことがある。
……「死んじまえ」って、囁かれたことがある。
だけど。だけど。
物語を綴れば、僕は「僕」で居られる。
「生きていていいんだよ」って、言って貰える。
「そのままでいいんだよ」って、微笑んで貰える。
「泣いても良いよ」って。「独りじゃないよ」って。
「汚くなんか、ないよ」って。
嘲笑も、怒鳴り声も、喧嘩も、突き放されるような言葉も、苦しいぐらいの劣等感も。
何もかも、聞こえない世界へ。
僕が物語を書く理由。
僕が、詩を書く理由。
僕が、絵を描く理由。
僕が、読書をする理由。
それは、僕を。
此所に居る、十五歳の僕を、守るためだと、僕は思う




