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薄い光が重なり濃くなる

あれからどれだけの時がたっただろう…

森の中で光を浴びて転がりながら少年は深いためいき…

何故ならこの少年は幼い頃事故で親を亡くした

間違いなく自分が起こした事故だった


ある晴れた日焼けが似合う夏

どうしても隣町の海に行きたかった

幼い自分はすごくわがままであった

「ゆう君海遠いから行けないよ」

母は困った顔で僕に言った

【いいじゃないか男って生き物は海に憧れるものだぜ】

何事にも笑いながら答える父

『そうだそうだ♪海に行くんだもん』

「いいだしたら聞かないんだから…早く準備しなさい」

【『そうこなくっちゃ』】


古くてドアがさびかけたバスを父が運転している

『あとどんくらいで着く』

「…走り初めてまだ10分よ…」

母が苦笑い

『父ちゃんスピードもっとあげて』

【ゆうの頼みとあっちゃやるしかないな】

アクセルを踏む時のイキイキとした父の顔が頭から離れない…

カーブにさしかかる崖になっていてギリギリバスが通る広さの道路にスピードを乗せる

さびついたドアから崖の下を見下ろす

…落ちたらひとたまりもない…

その時ドアが開く

何が起きたか理解できない少年は転がり落ちてガードレールの足につかまり

今にも落ちそうだ

父と母を乗せたバスは開けたドアからの風でハンドルがきかないまま直線的に崖を落ちて行った

涙がこぼれる

自分が落ちる恐怖からではない涙だ

必死に上ろうとする…その時爆発音が聞こえる

ドォーンパリィン

音がした方向に走りだす

そのあとは思い出したくない


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