デジャヴの猫
掲載日:2026/11/07
あの街路樹のざわめき、風の冷たさ くもり硝子の向こう、雨の日のテラス 薄ぼんやりとした、青い猫の影 八月のTシャツが濡れた、あの日のデジャヴ
あと一歩だけ、前に進もうとした 君の傷口はまた、同じ場所に開いてる 保存をかけた輝きが、また薄情な朝を連れてくる どこかで遠吠えが響く、言葉以上のノイズ
この鬱屈した既視感は 呪いか、救済か どうして僕の心臓は こんなにも熱烈な主観を繰り返す 胸のシリコンみたいに、ザラッと響く擬音
病める魂が幻視する、過去の歯痛のような 微かな苦悶のリズムを拾い集める 瓦斯体の衣装は脱ぎ捨てたはずなのに 夏の水の色が、また記憶を連れ戻す
ねぇ、明日しんでもらおうかしら 僕と君以外、全ての人に 孤独でウソつきな自分を隠すために この大きな都会の夜に、ずっと潜っていたい
この鬱屈した既視感は 呪いか、救済か どうして僕の心臓は こんなにも熱烈な主観を繰り返す ほこりっぽい風景の顔に、うすく涙がながれている。




