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整合性に欠ける(615文字)

 素晴らしい小説が書けた。

 まったく、いままでどの作家も書いてこなかった新境地の作品だ。


 内容としては──将来、この世界には魔法じみた科学が発達し、宇宙には無数の人工衛星が作られ、その人工衛星たちが新しい国家となり、宇宙の覇権を争う──という小説である。

 この宇宙戦争では、私の想像力から生まれた、宇宙船や宇宙兵器が盛りだくさん登場する。きっと、読者の知的好奇心を刺激してやまないだろう。


 過去にこの作品と類似した小説はない。無類の読書家である私が、断言する。なにせ、昔から出版され続けるドラゴンや魔法の小説に辟易したから、こういう斬新な小説を書こうと思い立ったのだ。


 この小説のジャンルを新しく名づけるならば、『サイエンスフィクション』が良いだろう。

 空想の科学をベースにした世界観で、何事も物理学的に説明がつくようにするのだ。少なくとも、私の小説の中の物理法則ではね。そんな世界観こそ、知的でかっこいいではないか。

 大ヒットするに違いないぞと意気込んで、私はなじみの出版社に持ち込んだ。

そしたら、担当の編集者に「整合性に欠けるね」と突き返された。


「なんだい。人工衛星や、宇宙船って。そんなの、どっちも魔法でできるじゃないか。現にこの星は昔大賢者様が魔法で作ったものだし、月にだって、ドラゴンに乗ればいけるだろう」


 ぐぅ、と私は歯噛みした。


 編集者の後ろでは、三階の専用入り口から、ほうきに乗った社員たちが原稿を脇に挟み、せわしなく出入りしていた。

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