姿うるわし
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
「秋は茜色」の「去り際の月」の段でも触れましたが、昨年の10月から続く、4カ月連続スーパームーンのレアな天体ショー。4度目のスーパームーンもちゃっかり観察しましたとも。
2026年1月3日、新年明けてすぐに巨大満月が観られるだなんて、なんて気前の良い!きっと縁起だって良いはずよね。
しかも1月の満月は「ウルフムーン」と呼ばれているのです。冬にオオカミが月に向かって吠えることに由来する呼び名なのだそうですが、なんとも勇壮で、かつ冴え冴えとした冬の月に似合う名前だと思いませんか。
お恥ずかしながら、実は、わたし正月3日は体調を崩して寝込んでおりました。一日中うとうとしていたのですが、あたりが暗くなったころ、ふと思い出したのです。今夜、スーパームーンだって!
ウルフムーン、観たい!
だからといってすぐに布団を抜け出す体力もなかったので、一旦寝て、良人も寝入った深夜、トイレに立つ際にベランダから外に出てお月見決行。(よい子はまねをしてはいけません)
上空に、白い月。闇色に支配された空に浮かぶ月は、黒の浸食を押しのけて、刺すような強い光を放ち、支配者のような存在感を示していました。
晴れていたので、雲の帳に顔を隠すこともなく。
他の星々を圧倒し、まるで夜を統べる神のごとく。
悠然たる姿、それはもうまばゆく美しくて。
そんな女神の放つ光は銀色で、静かに、緩やかに地上に降りてくるのです。
月光は降り注ぐなり白銀の
ヴェールとなりて街を包まん
仰ぎ見る白い狼月の夜
巨大な姿に漏れる白息
巨大な月のウルフムーンというと、なんとなく北欧神話に出てくる魔狼フェンリルを思い出しました。ラグナロクで最高神オーディンを呑み込み、神々の時代の終焉をもたらした災いの狼です。途端に銀の光も禍々しくなりますね。
観る者の心揺らして銀の月
夜空を駆ける姿うるわし
神話の世界では、大抵月は女神さまになるのですが、日本の神話だけは男神なんですよね。
アマテラスオオミカミの弟で、スサノオノミコトの兄。ツクヨミノミコトです。(ツキヨミノミコトとも)
漢字を当てると、「月読命」となります。日本の神話の中で「三貴神」と呼ばれる、最も重要な神様の一柱なのですが、神話の中では登場シーンの少ない謎多き神様でもあります。なんたってお名前からして漢字表記も月読、月詠、月夜見とこれ全て正解で、ツキヨミともツクヨミとも読むのですから、とってもミステリアス。
謎を解くカギはツクヨミの「読」らしく、月の月齢を数えるという意味があるのだそうな。「月の月齢を読む」というのは、月野満ち欠けによって、暦を作り、稲作等農業へ役立てたり、潮の満ち引きも予測するということを意味しています。このことから月読命は、農業や漁業への関りが深いことが分かりますね。
それから、占いの神でもあるのだそうです。
またヨミの部分の意味には、月を読む以外に、黄泉の意味も。
夜を統べる神としての「月夜見命」表記にあたっては、月夜というのは単につきのことであって、月は夜出るから月夜。見は心霊を表していて、この「見」は月を神格化したものという話もあるのだとか。(月読神社由来)
夜や黄泉の国を統べるだとか、神話本編内ではちょっと影が薄いだとか、なんとなくギリシア神話のハデスを思わせるところもあったりして。まあ、あの姉と弟に挟まれたら影も薄くなるか、な~んて。
でもね。ミステリアスビューティーなイケメン神に違いない、と思うのですよ。それもゴリゴリマッチョではなく、山岸涼子先生描くところの厩戸皇子風の耽美的美形であって欲しいっ!(←個人の妄想です)
古来日本人は十五夜(中秋の名月)を始め、十三夜に十六夜、二十三夜と様々な月を愛でて(そう「愛でて」いるんです!ここ大事!)和歌を詠み、暦を作成して作物の豊穣や漁に役立ててきました。
ツクヨミノミコト(月読命)は月の神様として、たとえ影が薄かろう(ごめんなさいっ)が、わたしたちの生活にとても重要な神様と言えます。
だから。
心が惹きつけられるのかも。
観ているだけで、いろいろな想像を掻き立ててくれる月。たとえ風邪を引こうとも、その姿を見てみたいと思うでしょ。ね。
くしゅん!
ご来訪、ありがとうございます。
スーパームーンから古事記まで。お月様のお話でした。
ところで。調べている内に面白いお話を拾いました。ツクヨミは「月読姫命」や「月読姫命」などと表記されることもあり、「実は女神様なんじゃないか」説があるのだそうです。するとアマテラスとは姉妹。ただアマテラスにも男神説があるのだそうです。さらにツクヨミとスサノオは同一神ではないかという説まであり、兄弟姉妹関係がますますわからなくなることに。ミステリアス度は上がる一方です。
やはりイケメンは謎の多い方が魅力的なのかしら。




