一度あることは二度ある。
日が暮れて外がだんだんと暗くなる中、私はようやく先程の路地裏にたどり着いた。
道の端っこにキラリと輝く物を見つけて、急いで手に取る。
「良かった、見つかって…」
私は安堵し、ネックレスを見つめた。
このネックレスを見つめていると、初めて会った時のことや、セオドアからの熱烈な告白を思い出す。
セオドアと浜辺で出会ってから少ししか経ってないのに、色んなことが起きた気がする。
夕食に間に合わないと心配するだろうし、早くセオドアに会いに行こう。
ネックレスを身につけ、進もうとすると後ろから口を塞がれた。
「逃げられる前にネックレスを魔法で外しといて良かったぜ。そんなに大事な物だったのか?まあ、おかげで捕まえる手間が省けた」
後ろから下卑た笑いが聞こえ、抵抗する間も無く拘束されてしまった。
どうやら、わざとネックレスを外して路地裏に置いておき、私がもう一度ここに来るように仕向けていたのだ。
こんなことなら出る前にセオドアに声をかけておけば良かった、と思っている間に目隠しをされ、私はどこかに連れ去られた。
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