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お忍びデートは忍んで行わないと…

 シャボン玉の乗り物から降りる時も、セオドアは先に降りて私の手を引き、エスコートしてくれた。

 セオドアは私をまるでお姫様のように大切に扱ってくれるので、私は慣れなくて照れてしまう。

 やがてレムリア国の城下町の中心部にたどり着いた。

 活気だけでなく笑顔があふれていて、国民の人魚たちは生き生きしながら生活している。


「そういえばセオドア、やっぱりこの国の人魚も、和風の名前の人魚はいないの?私の名前ってこの世界ではちょっと浮いているなって思う時があって」


「和風…というものがよくわからないが、アカネのような名前はそうそういない」


「やっぱりそうだよね。本当はね、私の名前は太陽が暮れる夕方の色を表しているんだよ」


「それは、この色に近いか?」


 宝飾品を売っている露店で、セオドアは赤い色の貝殻のイヤリングを指差す。

 小さくても鮮やかで、着けたら華やかになりそうだ。


「そう、こんな感じの色!」


「では、これをプレゼントしよう」


「ええっ!?悪いからいらないよ。ちょっと待ってセオドア…」


 イヤリングを見て、綺麗で思わず目を輝かせてしまったため、それを見逃さずにセオドアはさっさと買い物を済ませてしまった。


「今日のことも良い思い出として覚えてほしいんだ」


 そしてセオドアは手早くイヤリングを私の耳に着ける。


「よく似合っているよ」


 フードから垣間見える美貌と、うっとりするような美声に、私の頭は沸騰しそうになって何も言えなくなる。

 隠しても隠しきれないイイ男のオーラは、やはり周辺の町娘たちも気づき始めたようで、知らないうちに注目の的になっていたようだった。

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