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邪神大戦都市マギナ  作者: ピリ辛
プロローグ 邪神大戦都市のクソニート
6/11

05 ドア1枚を隔てた"恐怖"


時計は、夜の2時を回った

ゲスティとやらは来なかった


やはりアレは、

ただのイタズラだったようだ


ダクヤ

「ま、わかりきっていたことだがな…



あ~あ、

すっかり一杯食わされちまったなあ!


今だから言うが…

正直、おれはビビりまくっていた


あのゲスティとかいう女…

今ごろ、ビビりまくっているおれを想像して

ほくそ笑んでるんだろうなァ



あ~、やられたよ!

完敗だ!



でもいい教訓にはなったな


やはり遊び心とはいえ、妙なサイトに

手を出すべきではない


俺は一歩成長できた


それでいいとしよう」



こうして、おれの単調ながらも

楽しい日常はこれからも続いていく


今までも、これからも、

ずっと、ずっと…



ピンポーン



ピンポンが鳴っている


ダクヤ

「何…?もう夜中の2時だぞ…」

ゲスティ

「こんばんは~♪


斉藤さ~ん、来ましたよ~、

ゲスティです~♪


ちょっと遅くなっちゃって申し訳ないんですけど~、

でも今夜中には

来たんだからいいですよね~♪」


!!!!!!!!


ダクヤ

「な…!!?

ば、馬鹿な…!!!


これは『現実』か…!!!?」


ゲスティ

「フ~ッ


さ、ドアを開けてくださいよ~

いるんでしょ?


ほら早くぅ~」



コンコン…



ダクヤ

「そうか…

おれはいつの間にか眠ってしまったんだな

早く目を覚まさなくては…」



コンコン…



ゲスティ

「何してんの?早く開けてよ~


あ、もしかして居留守でも使ってる?」


ダクヤ

「くそッ!覚めろ!!

早く覚めろよ、おれ!!」

ゲスティ

「ムダですよ?


ちゃ~んといるのはわかってますからね~

ほら、このドアのすぐ向こうに…」


!!

ゾッとして思わず後ずさりしてしまう


ゲスティ

「あ♪今、後ずさりしたでしょ?


そんなに怖がんなくても

大丈夫ですってばあ~」



ハ、ハッタリだ…!!

ハッタリがたまたま当たっただけ…!

部屋の中が見えるハズがない!!



手足が震える


かつてない恐怖が、

おれの心臓を絞り上げてくる


ネットも、電話も、生身のおれとは

関係ない、遠い世界の話に過ぎなかった



しかし、今は違う…!!


得体の知れない存在が、ドア一枚隔てた

向こうに、確かにいる…!!!



ダクヤ

「ひッ…」



だッ、ダメだ…!!

悲鳴を上げるな…!!

音を立ててはいけない…!!!


落ち着け…!!

落ち着いて考えるんだ…!!

今、どう動くべきか…!!!


おれは、どんな状況でも的確な判断が

できる男であるハズだ…!!




▶居留守を貫く

 ドアを開ける



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