01 その町の名は『マギナ』
その町『マギナ』は、
邪悪の気配に覆われていた
多発する凶悪犯罪…
世紀末状態と化した町並み…
そしてたびたび目撃される
この世のモノとも思えぬ"異形の怪物"…
それは、犯罪者を恐れる人々が見た
幻覚だったのか?それとも…
事態を重く見たマギナ市議会は、
前代未聞の"緊急法令"を発動した
『即決断罪法』
物的証拠も、法的手続きも必要とせず、
犯罪者を即座に"処分"する権限を
警察に与えるという…
恐るべき法令である
無論、反対の声も多数起こった
「警察組織の暴走を招く」
「法治国家の理念の否定だ」
「独裁の始まりだ」
しかしそんな叫びも
治安の悪化という圧倒的な現実の前には
全くの無力であり、
『即決断罪法』は強制採決された
そして同時に、
『即決断罪法』の執行機関として
設立されたのが、
特務警察『サイコポリス』である
屈強な警官の中でも、
特に優秀な者のみを選りすぐった精鋭部隊
"地上最強"の治安維持集団である
その総長に就任したのが、
女だてらに"地上最強の警察官"と
うたわれる…
『碇 砕子』だ
後日、開かれたサイコポリス結成式典
その壇上にて、
サイコポリス総長・碇砕子は語った…
「我々サイコポリスは、警官として最高の権限を与えられました
不安に感じる市民も多いことは、重々承知しています
しかしッ!!
我ら警察は、ただただ市民を守るためにこの道を選んだ"真の戦士"です!!
我々の心にあるモノは!!
ただ皆さんの幸福を願う"正義の心"と!!
"悪への怒り"だけなのです‼
市民の皆さんッ!!
何も心配はいりません!!!
我々が罪のない市民に危害を加えるなどということは、絶対にありませんッッ!!!!
アタシらがブチ殺すモノはッ!!!町にはこびるゴキブリ以下の以下の薄汚い犯罪者どもだけッ!!!
アタシらは誓いますッ!!!!
カス犯罪者どもをこの町から!否ッ!!
この地上から完全に抹殺しッ!!!
皆さんの平穏な生活を取り戻すことをッ!!!!
全部、アタシら『サイコポリス』に任せてください!!!
大丈夫です!!!
皆さんのことは、我々が絶対に守り抜きます!!!!
『サイコポリス』は…!!!
そのためにあるのですから!!!!!」
演技とか…リップサービスとか…
そういうモノではない…!!
"本気"の熱意に満ちた砕子の叫びに
市民の闇に安堵の表情が広がっていき…
熱狂の渦が、巻き起こった
「俺たちは大丈夫だ!!!」
「マギナを守ってください!!!」
「砕子さん結婚してくれ!!!」
砕子は満足げにうなずき、舞台を降りた
群衆の目から解放されて一息つき…
ふと、素の表情を見せた砕子
その表情を捉えた記者は、
のちにこう語った
「正直、ゾッとしたよ
治安の番人?
アレはそんなモノじゃあ断じてなかった
アレは…獲物を前に、舌なめずりする"捕食者"の眼…
獰猛な"肉食獣"の貌だった…
俺たちは…町で暴れる犯罪者よりも、もっとずっと恐ろしい"何か"に…絡めとられてしまったのかもしれん…」
その後…彼は突如として、
その行方をくらませた…
特務警察『サイコポリス』…
彼らがもたらすモノは平和か…?
それとも…?
マギナを取り巻く"邪悪の気配"は、
さらに濃度を増し…
とどまる所を知らない…
"異形の怪物"とは何なのか…?
サイコポリスの戦慄すべき"本性"…
その"真の目的"とは…?
邪悪の気配…その"根源"は一体、
どこにあるのか…?
このありふれたマギナの町で…
かつてない戦いが始まろうとしていた…
"正義と悪"…"人と神"…
すべてを巻き込む、未曾有の戦いが…!
『邪神大戦』が…!!!
『邪神大戦都市マギナ』