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勇者二世嫁探しの旅  作者: 猫又にゃん
76/116

76 アイドルお披露目

ケーンはミーちゃんを猛特訓!

「お帰りなさいませ! ご主人さまぁ~ん。

にゃんにゃん!」


「お帰りなさいませ! ご主人様。

ニャンニャン!」

 ミーちゃんは、猫耳カチューシャ(しっぽももちろんアリ!)のケーンをまねて、招き猫ポーズ。


「ち、が~う! ご主人さまぁ~ん、だ!」


「ご主人さまあ~!」


「ち、が~う! いい感じに媚びる!」


「ご主人さまぁ~ん!」


「うん。そんな感じ! 

にゃんにゃんは、とびっきりの笑顔で! 

最初から」


「お帰りなさいませ! 

ご主人さまぁ~ん。

ニャンニャン!」


「ち、が~う! それじゃ、飛び降りの笑顔だ!

にゃんにゃんは、ひらがなで発音する!」


「ひらがな?」


「あ、柔らかくのイメージね。

笑顔が硬いよ。

そうね、さっき金貨百枚見た時の笑顔?」


「あれですか! 了解です!

お帰りなさいませ! 

ご主人さまぁ~ん。

にゃんにゃん!」


「いいね、いいね! いつも金貨百枚に接する気持ちで!

それがアイドルとして一番大事!」


 どんな特訓だよ! 記者渾身のツッコミは置いておく。


 そんな感じで、ミーちゃん改造計画は、着々と進行した。



 ピンククラブのダンススペース。


突然スポットライトがあてられた。


黒のスラックスにベスト、蝶ネクタイ。ボーイさん風衣装に身を固めたケーンが浮かび上がる。


猫耳しっぽ付きという点が、やや異色。


「いらっしゃいませ、いらっしゃいませぇ~。

当ピンククラブスペシャルイベント、ピンククラブX、ミニライブ~~~!」

 ケーンが持ち込んだカラオケから、アップテンポのリズムが流れる。


 五人の、猫耳しっぽアキバ系メイドさんが登場。


センターは、ピンクのミニメイド服、ミーちゃんだった。


 彼女だけは、本物の猫耳&しっぽ。


他の四人は? 


お忘れかもしれないが、ケーン一行は、エルフ探索の途中、強盗村の連中をお縄にした。


貧乏村、村おこしの一環として、ケーンが発案したのは『Bポップ(Bはボンビー村の頭文字)』路線だった。


村の娘の中で、かわいいどころ四人を猛特訓。


各地を巡業し、どさまわりアイドルとして、そこそこの評判をとっている。


エロカワ系衣装、無節操に地球の曲パクりまくり。大音量のカラオケに合わせ、歌って踊る少女ユニット。


なにせ、この世界では斬新そのものなのだ。


そのメンバーを、転移魔法で連れてきたわけ。



おっ、との子は みんなケモナー

やさしく ハァハァ 見つ、っめてね


いや~ん ばか~ん

おさわりダメダメ~ン

ネコミミシッポは トクベツな子、だけ!


あなたはもうすぐ……モフモフ、あふ~ん!

かも、かも、 カモ~ン? 



ミーちゃんが、口パクでリズミカルに体を揺する。さすがにダンスまで、手が回らなかった。


バックではメンバーが、ダンスを繰り広げる。もちろん口パク。歌はケーンの父親が作った、アンドロイドたちが吹き込んだ。

歌が入っていたら、カラオケの原義から外れるが、ケーンは細かいことを気にしない。


五人のミニスカから、白のフリフリドロワーがちらちらと。さすがにケーン謹製の、おパンツちらちらでは具合が悪い。



当初唖然として見ていた、お客やお店のおねえさんたちは、ノリノリで声援を送る。


「ハイ! 

ハイ! 

ハイハイハイハイ!

ミーちゃん、カワユイ!

ネコミミシッポ!

ユラユラ揺れて

ムラムラそそる!

ハイ! ハイ! ハイハイハイハイ!」


曲の間奏。ケーンはピンクのハッピとハチマキを着け、キレッキレのオタ芸で、場の空気をあおる。


女系社会に抑圧された、竜族オノコは、こういった「守ってあげたい」的な女の子に弱いはず。


 ケーンの読みは、ずっぽりはまった。


特にローレンは、目がハートマークに。


さすが武芸の達人(竜族の女より弱いけど)。ローさんは、ケーンに並んで、オタ芸を打つ! 打つ! 打つ!


 なんか、きっもち、いい~~~!


 ローレンのストレスは、春の雪解けのごとく。



「それじゃ!

ミーちゃんとピンククラブXに、盛大な拍手を!」

 三曲終わって、ケーンが締める。


「ありがとうございました!」

 ミーちゃんだけが残り、他のメンバーは、拍手と声援に送られ更衣室へ。



「ご苦労様。ボンビー村へ転移!」

 ケーンの依頼を受けたミレーユが、四人を送り届ける。


 さすがケーン様、念願のケモミミ、ゲットしちゃった。


 ちょっぴり寂しい、かな……。


 ミレーユは、心の中でそうつぶやいて、夜の王宮へ転移した。



「ケーン、その子、紹介してくれ!」

 元の席へ帰ったローレンは、ケーンに哀願。


「紹介? ミーちゃんだよ」

 

「ミーちゃん? さっきの子?」


「そうだよ。俺の嫁に決めた。

惚れても無駄だぞ」


 ローレンは、うつむいて両手をプルプル震わせる。


「お前なんか、だい、きらいだぁ~~~!」


 ケーンに男の友情は、やはり無理だった。



 ちなみに、ボンビークローバーX(四人の正式ユニット名)は、後々竜族オノコのアイドルになったという。


そして、ハッピとハチマキは、竜族オノコの必須応援グッズになったとか……。


 ボンクロ親衛隊隊長は、いうまでもなく、王宮近衛隊員、ローレンが兼任した。


猫又のオタク認識に、偏向が感じられたならお許しください。

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