曲と芸
待ち焦がれた明かりがやって来た。その日はもう難しいことなど何も解らず簡単な心ばかり感じてた。ケーちゃんは筆箱を鳴らすと笑った。ぽっと雨しずくが走って晴れを教える。
多分、その明かりは灯びと言ってもいいと思います。先生が真面目に、それはそれはとても真面目に、そうと言うのでわかりましたと枝本は答えた。だからこそかな、この世の仕組みにそれはそれは必要な、そうそれは、お祝い、という事象があって、双葉が芽吹きを恵まれるとかかな、枝本は混乱してた。混濁してる。でもおもいっきり、嬉しかった。
夕日が時間を留めるものならば続く先はただ流れる未来だなぁ。その日の放課後に靴を砂利に鳴らしながら歩く隣のケーちゃんは手をズボンの脇に入れたまま何かを想っているのだろうか。
家のお風呂で追い焚きのボタンを押すと月が笑い掛けてて時間が動き出した。
スーパーウルトラみんなが幸せに居れれば良いと思った。