その2
しかし、真奈の攻勢は恭平の想像を超えていた。
夕食を済ませた後、恭平がいつものように入浴していると突然真奈が入って来た。
(エエッ?!)
全裸の首にはストラップについたアクションカメラが掛けられている。
「言う事を聞いて。もし逆らったら奈美に撮影した動画を送るわ」
「撮影?? ど、どゆこと?」
「はい。静かに!」
RECボタンが押され動画撮影が始まる。
(これも揺さぶり? いくらなんでも強引すぎだろ!)
厳しい表情の恭平に構わず、真奈は向かい合って浴槽に浸かる。
防水仕様のカメラがまっすぐに恭平をとらえていた。
なるべく見ないようにしていた恭平はある事に気付く。
(ホクロ?)
4、5ミリ程度の黒い丸が一つ。真奈の左胸の上にある。
幼い頃、ビニールプールで一緒に遊んだ時には気づかなかった。
「フェッ?!」
恭平はいきなり声を上げる。
入浴剤で白くなったお湯の中で真奈の両足が彼の下腹部を捕らえていた。
「抵抗しないでね」
足裏で器用に急所を挟むとそのまま上下に動かし始める。
「声を出しちゃダメよ。奈美に動画を見られたら何をされてるかわかっちゃうからね」
真奈は挑発するような笑顔で囁く。
恭平は片手で口元を隠し唇をギュッと閉じた。
大人しくなった義弟を見て義姉は少しずつ動きを速めていった。