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その1
「マジか……」
先に帰っていた真奈に両親の伝言を聞かされ恭平は絶句した。
香澄家の両親は親戚を見舞う為、朝一番の飛行機で北海道に飛んだのだが、現地の天候悪化で今日戻る予定を一日延ばすとの伝達だった。
「そんなにぼう然となる? 留守番なんて大した事じゃないでしょ?」
「そうだけど……」
チラリと真奈を見た恭平は心の中で突っ込みを入れる。
(そうじゃないんだよ! どうしたんだよ! そのカッコウ?!)
真奈はホットパンツにタンクトップという露出多めのファッションで、『ボン! キュッ! ボン!』をアピールするようにリビングのソファに横たわっていた。
(しかもノーブラかよ??)
間違いなくセフレ話に対するアピールだ。
バイン感溢れるボディを見せつけ揺さぶりをかけている。
(本気なのか? 本当に僕とセフレになりたいのか?)
恭平は奥歯をギリリと噛む。
(真奈という彼女がいるんだ! 誘惑なんかに負けるな僕! 絶対に耐えるんだ!)