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昼も夜もない黄金色の空の下
彼女は何も知らずボートに揺られたままで
へんぴなオール、窮屈なボートに目もくれず
ただ波立つ湖を眺めていた
それは不思議というにはあまりにもありふれていて
夢だと言うには向いていない
それは鏡というにはあまりにも乱雑で
だけどしっかりと彼女の姿を写していた
ああ、その姿のなんとあさましいこと!
それは子供というにはあまりにも胡乱げな
しわくちゃで、かさかさで、がたがたで
そしてなによりも、疲れていそうな姿だった
少女の夢はいつか終わりゆく
なんだってそれを止めることはできない
あの黄金の昼下がりだって
いつのまにか夜になってしまった
みんないつかは疲れ行く
それでだんだんと諦めていくんだ
ああ、でも。それでも進むというのなら
誰もあなたを止めることはできない。
覚えておいて
お話はこれにておしまい
その温かい手で作った花冠も
湖の底へ返してしまいなさい
思い出の傷でぐちゃぐちゃになって
人を握る手が冷たくなった時だけ
きっとそれをすくい上げるのよ
さあ、目覚めなさい、アリス
子供の国を置き去りにして