Mermaid
カ―ラジオから流れてるのは
キワどい歌詞のラブソング
どこか気まずい雰囲気で
照れてるのを誤魔化して
『ノリのいい曲だね』と呟いた
あんなことやこんなこと
君は果たして、知っているのか?
謎のままの恋模様
それをとにかく知りたくって
興味があるのか知りたくって
さりげなく探りを入れてみて
けっきょく答えは曖昧なままで
無駄な一日が過ぎていく
夏のビーチで恋をした
それまでの恋をポンと放り出し
少年は、人魚に恋をした
大人の付き合いしたくって
子供みたいに騒いでた
人魚に恋した少年は
泳げずとも、海に繰り出した
絵本で見たあの海のように
透き通った景色はなく
彩り豊かなサンゴや魚の群れ
目を凝らしても、見えはしない
戸惑いから落胆へ
海の広さが、悲しみの広さへ
人魚に恋した少年は
そこで少し、大人になった
切なさ募る夕日のビーチ
黄昏に目を細めて
海の向こうを見ていたら
キラリ輝く水しぶき
僕は駆け出した
それを合図にするかのように
水しぶきが近付いてくる
僕はとっくに足を止めて
君の姿に魅入ってた
知りたいのは、君だけで
興味があるのは、君だけで
それが一時の感情だって
君は何度も、首を横に振るばかり
暑い一日が終わっていく
それが本当の恋だって
終わってから気付いてた
人魚に恋した少年は
図らずとも、純粋だったのか
絵本で見たあの海のように
透き通った景色じゃなくても
人魚にまた会えるなら
いつかまた、ここに来たい
少年から大人へ
海の広さが、無性に切ない
人魚に恋した少年は
そこできっと、大人になった




