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怪盗クロ  作者: リリー
1/1

プロローグ

「おい!出たぞ、アイツがでた!」

「っ魔道具は大丈夫なのか!?」

「やられた!くそっ!」

「追え、ヤツを絶対に逃がすな!」


バタバタと騒がしい足音が遠くに行ったの見計らって、一つの人影が薄暗い廊下を走る。そのまま右に曲がり、とある一室に入った。物置に使われていたのであろうこの部屋は、あまりかたずけられておらず、かなりほこりをかぶっていた。


「あとは…」


人影がそう呟いたところで、突然背後のドアが勢いよく開かれ、一人の男を先頭に大勢の騎士たちが入ってきた。


「そこまでだ!怪盗!」


ぱっと人影の周りに明かりがつき、そこには一人の仮面をした男が立っていた。


「さあ、お前が持っているその魔道具を返してもらおうか」


先頭の男がそう言うと、後ろの騎士たちがいっせいに魔法陣を展開し始める。


「……あいかわらず、無駄にチームワークのいい隊ですね、アルス隊長。」

「お前にそう言ってもらえるとは光栄だね、大怪盗。お前とはいろいろ話したいことがあるから、大人しく捕まってくれないかな」

「俺としては、なにも話すことはないから、遠慮したいところですね」

「それは残念だ……やれ!」


アルスがそういったとたん、魔法陣から次々とツタが飛び出し、仮面をつけた男、怪盗に向かって迫る。

その様子を眺めていた怪盗は、唯一見えているその口元を僅かにゆがませると、アルス達には見えないようにしながら、部屋の壁を白い手袋をつけた手でなでつけた。





「……まて、魔法を止めろ」


今度こそはと、いきりついていた部下たちに魔法を止めるように命令し、まゆのようになった巨大なツルをじっと見つめたアルスは、少し目を細めてから、剣を抜いてツルの塊を横断した。


「嘘だろ…」

「い、いねえ」

「また逃げられた…」


逃げられたことを悔しがりながら、アルスは次の指示をだす。


「……屋敷の周辺を探せ。まだそう遠くには行っていないはずだ。私は子爵に報告をしに行ってくるよ。」

「了解しました、隊長!」


走り去る部下たちの背中を見送り、怪盗が消えた場所を一瞥してから、今回の怪盗の餌食となった子爵のもとへ歩きだした。









「おい、聞いたか?」

「また出たんだろ?」

「今回のターゲットは、この国の子爵のものだったらしいぜ」

「また騎士団の負けか」

「確かあそこの隊長って、Sランク冒険者と同じくらいの強さなんだろ?」

「しっかし、ほんとに何者なんだろうな…





怪盗クロって。」































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