第9話『混沌的な遊園地へと』
丁度、夏休み期間に突入した為、実子の知っているテーマパークへと遊びに行くことになりました。遊園地なんて、何年ぶりかしら?たしか、最後に行ったのは葉月と睦月が小学高学年の時だったような。──まあ、難しいことは考えないで。精一杯、遊んで遊び尽くさないと勿体無いわね!
「お義母さま、このアクセサリーなど。どうでしょうか?」
「セラエノ・ブローチ?変わった名前なのねぇ」
「私達の母星では有名なモノなんですよ?色々な効果を与えてくれますし、使えると思います!」
「そうねぇ。じゃあ、買いましょうか」
『セラエノ・ブローチ』535円。──意外と安いのねぇ。なんて、思いながら左胸の辺りに着けてみたけど。…ちょっと大きすぎて着けにくいわね。
「どうかしら?」
「はい!とても似合っていますっ!!」
値札に「クトゥグア召喚」や「黄金蜂蜜酒の製造法」何てものが書かれているけど。どういう意味なのかしら?ジェット・コースターに乗っている葉月と清月の悲鳴みたいな声が聞こえてきたけど。気の所為ね。清月が叫ぶなんてところ、見たことが無いんだもの。…睦月は睦月でゲームセンターの景品を取ろうと孤軍奮闘しているし、実子はお土産コーナーから出ていこうとしない。どうすれば家族写真を撮ることが出来るのかしら?
睦月の真後ろに有るノックアウト・パンチングマシーンでも体験してみようかな。財布から取り出した100円を投入すると「ハッハッハッ、掛かってきなァ~!」という挑発的な電子音声が聞こえてきた。…ちょっと、ほんの少しだけ、イラッとしたのは内緒よ?
「てりゃあぁっ!」
自分なりに力の入りそうな掛け声を出しつつ、パンチングマシーンの殴る場所を叩くと機械的な動きで吹っ飛び。「53点」という点数が表示された。…もう少し、上の方だと思っていたんだけど
『セラエノ・ブローチ』
正式名「セラエノ断章」。クトゥグアを召喚する方法、黄金の蜂蜜酒を製造する方法が記載された石板のレプリカ。装着者のピンチを感知する防衛機能を搭載しており、特撮のヒーローのようなコスチュームを展開する事が出来る。




