第7話『マザーズ・クライシス』
最近、誘拐事件や露出魔を目撃した話を耳にすることが多くなってきた。囲碁路さんは「殴れば黙る」と肉体言語を使用すると発言し、宮藤さんは「拡散すれば…」とスマートフォンやビデオカメラを携帯するようになり、片野さんは「嗤えば良いんじゃない?」と考えることを放棄している始末。
…このままでは稲梓マンションから引っ越してしまう家族が出てくるかもしれない!と考えた末に思い付いたモノは、親御さん達で護身術を習うこと。
囲碁路さんは「珍しく採用されたわ!」と喜んでいたけど。…退けたりする為の護身術を習うだけよ?一応、催涙スプレーや防犯ブザーを持ち寄ったりしていると竹谷さんが「螺旋鉄槌剣」と書かれたドリル状のモノを持ってきた。中学生になる息子が作ったモノだと説明されたけど。
…ドリルを作れる中学生とか居るの?
「そんな、ピコッとハンマーはダメなんて!?」
「ええっ、ロイヤル・ハリセン剣もダメなの!?」
「「「真面目に選んでくださいよ!?」」」
薬研さんと橘さんが遊戯に使う様な玩具を持参してきたのだが、本当に採用されると思っているのだろうか。…意外と使えそうな気もするけど、黙っておこうかな。
「村雲さんからも『スルッとマッスルボディ』みたいな物を出してくださいよ!」
「そんなの持ってませんよ!?」
そんなツッコミを要求するようなギャグ・アイテムを持ってこさせるのは、新手の勧誘活動なのかと間違いそうになる。…勧誘に当てはまるかは分からないけど。
『螺旋鉄槌剣』
片手で持てるサイズのドリル状の剣。バッテリー式の掘削機を改造しており、コンクリート程度ならば一撃で粉砕できる。
『ピコッとハンマー』
ピコッと音の鳴る玩具のハンマー。左右の接触部分に「阿」「吽」の漢字が書かれており、叩かれると意外と痛い。
『ロイヤル・ハリセン剣』
金ピカな漫才師の使うハリセン。平仮名で「はりせんつるぎ」と書かれている。スパァンッ!と綺麗な音が鳴る。
『スルッとマッスルボディ』
巷で噂の筋肉増強剤プロテイン。一ヶ月続ければボディビルダー並みのマッスルに変身することができ、ヤンキーや筋肉崇拝者からは会社(神)の作り出した筋肉の神秘を追求する為の聖遺物。




