第36話『石塔門前』
ヘンテコな生き物を倒し続けていた所為か。日が傾き掛けており、清月達も疲労が溜まっている様子、私も疲れてるけど倒れる程では無い。
むしろ毎日続けている家事の方が大変だと思う。朝起きて、ご飯作って、皆を起こして、皆の見送りして、皆の使った食器洗い物して、パジャマやシーツを洗濯して、買い物に行って、お昼ご飯の用意して、洗濯物を取り込んで、皆の部屋の掃除して、夕御飯の準備して、お風呂の掃除して、パジャマやシーツを敷いて、皆のお出迎えして、夕御飯を作って、お風呂の用意して。
……えっ、私ってば、こんなの毎日続けてたの?
ま、まあ、倒れなかった方が奇跡だったようね。清月達も仕事や部活で疲れているだろうし、今回は都市を救うような大仕事に取り組んでる訳だし、疲れるわよね。
「みんな、お弁当を作ってきたから食べる?」
「「「「いただきます」」」」
疲れてても食い意地はあるのね。まあ、それぐらい元気があれば問題は無さそうだけど。石塔の入り口が見当たらないのよね。……いっそ壊して入ろうかしら?市販のお弁当箱は使い捨てで良いわねぇ。今度から遊びに行く時は、使わせて貰いましょう。
そんな事を考えている間に、清月達が手を合わせて「御馳走様」と口にしていた。みんな、食べるの早いような気がするんだけど。
「腹も膨れたし、行くか?」
「そうね。行きましょうか」
「ママン、帰りはファミレスに寄ろうよ」
「帰って寝るに一票だ」
「ムツキに賛成ですね。ハヅキは一人でファミレスとやらに行くがいいさ!」
もう、この子達は口喧嘩ばかりして。お母さんも怒る時は怒るのよ?と二人の額をピンッと人差し指で弾く。所謂、デコピンである。
【存在しない時間軸へ消え去りなさい】
【流れ落ちる儚き雫ッ!!】
【受け入れろ、これが現実だアァァッ!!】
私は緋色と茜色の交ざり合ったエネルギー物質を放ち、葉月は白銀色の渦を巻くエネルギーを放ち、睦月は獅子を模した黄金色のエネルギー物質を放って石塔の外壁に大きな穴を作った。
『敵前での食事』
「腹が減っては戦は出来ぬ」的な考え方であり、それほど重大な事で無い。ご飯を食べれば余裕を持つ事が出来る、そんな考え方である。




