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村雲銀之丞の混沌的な日常系神話。  作者: タニシタタミ
石塔編
35/40

第35話『大通り前』


睦月と葉月は慣れたように身体を半身にして構え、群がって来ていたドラゴン君やバード君へと向かっていき、私の眼前にはアルマ君が車両を蹴散らしながら転がって来ていた。…清月と実子は生身なのにタイガー君やエレファ君と殴り合ってるし、ひょっとして私の家族って常識の外側に居るのでは?等と考えている暇はない。


【セラエノ断章第五節より魔槌召喚、左腕装甲換装完了】


前腕部・肩部・背部から緋色の炎を吹き出しながら、パワーを溜めるように何度も右へと回転して、アルマ君の右側頭部にパンチを叩き付け、僅かに浮かび上がったアルマ君の巨体に、爪先・脛部から吹き出す茜色の炎で加速した回し蹴りを叩き込む。


「足いぃッ…!?」


スマートに決めようとした所為で、右足がピシッと嫌な音を立てて痺れている。


【REP-UP!!MIGI-GAWA!!】


「ドラアァ!!」


片足でピョンピョン飛び跳ねていると盛り上がった右腕の装甲をドラゴン君に叩き付け、地面に落とす白銀色のトラが降ってきた。普通に考えて、あんなパンチを受けたら死んじゃうんじゃない?


「ママンっ!この飛んでる蜥蜴みたいなの、硬くて痛いんだけど!?」


「腹からブッ叩けば、止まるんじゃねぇか?」


振り返るとエレファ君の巨体を殴って打ち上げているゴールド・ライオンの姿が目に映った。あれはダメだ。人間を越えた“ナニカ”に変貌してる。…やっぱり、私の家族って人なのか疑いたくなる行動を取るわね。まあ、清月も実子も素手でパンダ君やバッド君を吹き飛ばしてるし……問題は無いと思いたい。


最早、人間と疑っている事すら間違いなんじゃ無いだろうか。と思いながら足の痛みが引いたことを確かめつつ、地面を殴り付けた反動を利用して真っ正面へと突進を仕掛ける。エネルギー消費量を抑える為であり、彼女が移動や攻撃の予備動作に用いる常套手段である。


「ゼエェェヤアァァッ!!」


銀之丞の咆哮と共に後ろへと大きく振りかぶった左拳がバード君の片方の翼を叩き潰し、更に回転を重ねて強烈な一撃をバード君の脳天に叩き込んだ。


「俺の妻が戦闘民族な件について」


「ラノベのタイトルみたいな奴だね」


「親父…姉ちゃんもアレに成るのか?」


「ハヅキ、お前はアレになるのか!?」


アレアレって酷いわね。こんなのセラに補助されてるから出来てるに決まってるじゃない。





『俺の妻が戦闘民族な件について』


異常な速度で強くなる「銀之丞」に対する疑問、セラエノ断章の能力とは「別物」の様な雰囲気を持っている為、本人は気付いていない。最早、タフネスと破壊力は人外レベルに到達している。



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