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村雲銀之丞の混沌的な日常系神話。  作者: タニシタタミ
凶月編
24/40

第24話『危険は吼える』


肌寒くなってきた夜の道を駆け抜けていると右手から走る方向を指示される。コイツの追跡する機能が無ければ姉ちゃんを助けに行くことすら出来ない。なにより不甲斐なくて悔しくなる。


【地中から来るぞ、マスタァ!】


──アルハザードの言い放った、その警告通り。地面の中から人の形を模した土竜の様な生き物が這い出てきた。一歩、もう一歩ほど先に踏み出していたなら片足を喰い千切られていた。そんな考えが過るほど気色の悪い化け物から虚仮にしたような笑い声が聞こえてきた。ふざけるな。俺を笑う奴は赦さねぇし、生かして返さねぇからな。


【マスター、行くぜ?】


「さっさと済ませろ」


バシッ!と右拳を左手のひらに打ち付ける。右手を中心にして光り輝く最中、背後の空間を噛み砕いて顕現した黄金色の獅子によって俺は喰われた(・・・・)


【AL-HAZARD-LION】


軽快な電子音声ではなく機械的な重低音の音声が流れ、獅子を模した黄金色の全身甲冑は炎を閉じ込めた様な歪でありながら雄々しき姿だった。


「邪魔だァッ!」


右の前腕部から出ている鉤籠手クローを土竜野郎の腹に叩き込み。腕の力だけで持ち上げ、何度も何度も何度も何度も何度も何度も鉤籠手クローを突き立てる様に殴り付ける。薄紫色の血液を垂れ流し、ギィ!ギィ!としか喚かない土竜野郎の瞳から光が消え失せたのを確認して、夜空へと投げ捨てる。


受け入れろ(センメルヴェ)、これが現実だ(イス・フィーバー)アァァ!!】


獅子を模したエネルギー物質を右拳から撃ち出し、土竜野郎を喰らい壊す。俺の力じゃない、コイツの理不尽な強さを見せ付けられた様な気がする。分かるのは、深い淵へと引きずり込もうと狙っていることだけだ。それでも姉ちゃんを助けるためなら「怪物」にだって成ってやる!!





『AL-HAZARD-LION』


獅子を模した黄金色の全身甲冑を召喚している状態の名称。セラエノ断章よりも強大な力を有しており、睦月を深い淵へと引きずり込もうとしている様な素振りを見せる。


『受け入れろ、これが現実だ』


通称「センメルヴェイス・フィーバー」。獅子を模したエネルギー物質を拳から撃ち出し、対象を噛み砕いて破壊する事が出来る。



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