第17話『マッスル・くねくね』
真っ白な全身タイツの変態は褌を着けた状態のまま、草刈りを行っていた。お義父さんが言うには何百年も前から一緒に暮らしている、らしい。──目を離した瞬間、「真っ白な全身タイツの変態」から「ムキムキでマッチョな真っ白な全身タイツの変態」に進化していた。…進化という解釈でいいのだろうか?
よく見ると猫の絵柄が有る女児用のパンツを顔に被っている。やはり、変態は変態と言うことが分かった。葉月と実子を近付けるのは危険。そう、判断するしかない。
「清月。あの、アレを…どうにかしてくれない?」
「無理だな。俺がガキの頃から居着いて、居候的な立場を築いてるんだ」
「「このトマト、すっごく甘い!?」」
葉月と実子はトマトにかぶり付きながら頬を弛ませている。女の子がしてはイケない表情とまでは言わないけれど。もう少しだけ、普通の表情で食べて欲しいわね。
「親父。このネーサン、札束を押し付けてくんだけど。どうなってんの?」
「絶ッ対に受け取るなよ!?俺も変な契約を結ばれそうになったんだ!!」
清月の情けない昔話を聞きつつ、足の裏に付着した泥や土を手拭いで洗い落とし、お義父さんの居るであろう。居間へと向かう。
「ネーサン。トマトも食うか?」
「ポポポポ…ポッ」
「おう。なに言ってるのか、分からんね」
「ムッ君、お姉ちゃんとお風呂に入ろー!」
「ムツキ、川へ遊びに行きましょう!」
睦月ってば女の子に囲まれた状態のまま、清月と話してるなんて。女の子の事を分かってないわねぇ。今日こそハートを射止めようと露出の多い服を着てるのが、分からないのかしら?
『マッスル・モード』
畑仕事を続けていた「くねくね」の到達した効率の良い形態。通常の形態よりも馬力が有り、数時間の作業を、その半分の時間で終わらせる事が出来るようになる。




