第10話『ラッシュ・ウィーアー』
遊園地の三大名物は「ジェット・コースター」「お化け屋敷」「お土産コーナー」だと思っていたけど。それだけでは無いらしい。パンチパーマが特徴的なマスコットキャラクターの説明では「宝探し」という一ヶ月に一度だけ行われる催しが有るそうだ。…お宝って、どんなモノなのかしら。玩具の宝石?フリーパス?それとも別のなにか?
さっきもドラゴンの被り物を被った子供やハエみたいな羽を生やした子供を見たけど。最近の若者の間では、あんなモノが流行っているのね。
…今度、清月といっしょに買ってみようかな。ペアルックって言うヤツね。喜んでくれると嬉しいわねぇ。そんなことを考えている間に、みんなが居なくなっていた。三十代の女性──迷子になる。そんなアナウンスが流れれば恥ずかしくて近づけなくなるわね。
ああ、本当にどうしましょうか。
「ショオオオォォォゴォスウウゥゥッ!」
「ミイィィィィゴオオォォォォッ!!」
空を見上げると声の発生源だろう。腕の擬態を解除したであろう実子と、ヘンテコな怪獣の着ぐるみを着たヒトが残像の見えるほど速いパンチをぶつけ合っていた。…ワイヤーアクションを行うのは舞台の上だけだと思っていたけど。見当違いだった、というかしら?
……それにしても実子ってば睦月が見ていると思ってか。張り切ってるわねぇ、プレゼントでも買ってあげましょうか。
「あの速さを、洗濯の時でも使ってくれると助かりそうねぇ」
ジャンクフードを売っている店舗の隣、小さな雑誌コーナーの真ん中辺りに「超絶、女の人でも理解できる!男のロマンとは」という雑誌を見付けた。……この本を買えば彼氏或いは旦那との趣味を合わせる事が出来るかもしれない!!と期待すると女性が絶えないだろうけれど。私は騙されたりしない。…ちょっとだけ、覗いてみようかな。
名前:遊園地のショゴス
マスコット・キャラクター的な立場を築いており、子供からはキモ可愛いと愛されている。理由は不明だが実子(ミ=ゴ)のことを敵対視している。最近ではバトルやアクションを行っている、らしい。




