第1話『村雲家の日常』
私の名前は村雲銀之丞。
今年で32歳になる二児の母だ。愛しき夫の村雲清月は国家直属警備会社の正社員という事しか知らないけど。まあ、優しい夫だと思う、娘と息子はヤンチャだけど。
昔は公園で遊んでいたら爬虫類のような生命体をボコボコにして遊んでいたし、清月に聞けば「ミ=ゴ」というチベットに在る神殿から出てきた古い昆虫だと教えられた。あの人は博識だと再確認する事ができ、私は満足している。
「なあ。オレの掃除道具知らね?」
「掃除道具なら部屋じゃないの?」
「「…ん?」」
──時々。本当に時々だけど、息子との会話が成立しない時がある。……酷かったのは娘の部屋から息子のパンツやら衣類やらが出てきた事ぐらいかな。…清月を交えて家族会義を開き、娘の言い訳は聞いたけど。最終的には「ブラコンで何が悪い?良いじゃないか、ブラコンでも」等と宣う口にカレー粉をブチ込んだのは、不味かったなと思っている。
「なあ、姉ちゃん。オレのパンツ知らねぇか?」
「へぇっふぇ!?知らんにゃぁ~!」
やはり、娘の嘘の言い方はヘタクソだ。困った時は声が上擦り、焦ると声が上擦り、ビビると声が上擦り、ヤバいと声が上擦る。……上擦り過ぎてるような。いや、何かの間違いね。
「……じゃあ、その被ってんのは何だよ」
「えっ、ムッ君のパンツだけど?……ばいちゃ~!」
「待てや、ゴル゛ァ゛ア゛ッ!!」
もう、息子のパンツと娘のパンツを取り替えれば解決するんじゃないかしら?それだと息子が娘のパンツを穿くことに為るけど…娘の方が喜びそう──否、悦びそうね。まあ、二人の成長を気長に眺めるとしましょうか。
名前:村雲銀之丞
旧姓「足立銀之丞」。32歳。既婚者。宵闇を想わせる黒く長い髪と黒曜石の様に鮮やかだが光沢の無い瞳が特徴的な美しい女性。黒いタートルネックと紺色のロングスカート、茶色い革製のブーツを好んで着ている。
名前:村雲清月
銀之丞の旦那。35歳。既婚者。国家直属邪神討伐部隊隊長。濡れ羽の様な黒い髪と鋭い目付きが特徴的な男性。ダークスーツに白いワイシャツ、黒い革製の靴を好んで着ている。
名前:村雲葉月
銀之丞と清月の娘。17歳。茶色い髪を一つに束ねた髪と優しそうな雰囲気が特徴的な少女。理由は不明だがジャージ姿にビーチサンダルで目撃される事が多い。得意科目は「社会」と「物理」。
名前:村雲睦月
銀之丞と清月の息子。16歳。黒く艶やかな髪と鋭い目付きが特徴的な少年。邪神や異形とのケンカを楽しんでおり、相棒の「ミ=ゴ」とは親友兼ライバルのような関係を築いている。得意科目は「体育」と「ケンカ」。
名前:ミ=ゴ
村雲家の居候。睦月とは公園で出会っており、一方的にボコられた過去を持っている。命を懸けて救われたことから相棒のようなポジションに定着しているが睦月の事を男として愛しており、人間擬態化能力を使っている。




