5話 ① 死(これから)への道
朝の9時
「うぁぁぁぁぁぁぁああ...
ゆ、夢か...」
(俺は、昨日の出来事が印象強くてその夢を見ていたのだ。
ちなみに言っておくが、ナイフを持った男に追いかけられる夢だ。)
広い空間に紳助はポツンと1人いる。
カーテンの隙間から太陽の日差しが差し込んでくる。
紳助は恐ろしい夢を見たせいか身体中が汗まみれになっていた。
起きたばかりの朦朧とした意識の状態で洗面所に向かった。
「......まさか、夢にまで出てくるとは
あ奴も、相当な男だな...そんなことより、汗をかいたな......シャワーだけでも浴びるか。」
そうすると紳助は服を脱ぎお風呂場へと入っていきシャワーを浴び始めた。
「あぁ~朝風呂は気持ちぃ~な~...
でも、これからどうすっかな...取り敢えず、朝飯でも食べながら考えるか。」
紳助はシャワーを5分ほど浴びた後、お風呂場を後にしてリビングへと向かった。
紳助がリビングに行くと台の上に1つの手紙が置いてあった。
「っ?」
すると紳助は手紙を手に取り読み始めた。
「なになに...「紳助へ...お母さんは今日は帰って来れないから家の事お願いね。
昼ごはんと夜ご飯はカップラーメンとサラダを置いてるから、ちゃんと食べておくのよ
明日の朝には帰ります。...お母さんより」
今日は帰ってこねぇーのか、まーいいか」
すると紳助は冷凍庫から冷凍していた米を出してレンジで温め始めた。
その間に即席の味噌汁を作り、冷蔵庫に入っていた塩サバを取り焼いた。
ジュージュー...
「まー魚を焼く程度なら俺にでも出来るからな...」
魚をやき終えたあと台に持っていき椅子に腰をかけ、テレビをつけた。
そこには、見覚えのある男が映っていた。
「っ?...確かあの顔どこかでみたような...あっ、そうだ昨日俺を追いかけ回したやつだっ!
なんで、テレビに出てんだろ。
どれどれ...えっ!? 捕まった?
ま、マジかよっ! やった~これで一安心だな。」
紳助が安心しているとテレビから不思議な会話が聞こえてきた。
その会話を紳助は頭に?を浮かべながら聞いていた。
"実はですね、この捕まった男というのは顔に不思議な紋章みたいのが付いていましてね。
それが、どこからどう見ても不思議なんですよね...'
「顔に...紋章...?
っ、それって俺が火傷だと勘違いしていたやつの事かな...?」
"そうなんですか、ですがそれより奇妙なのがですね、昨日この男は1人の男性を追いかけ回していたそうなんですけど、男性は無事みたいだったんですがこの怪しい男は路地裏で見つかったそうなんですよね。
近隣に住んでいる30代の犬と散歩していた女性が見つけたらしいんですけど...'
「...路地裏?
ってことは、俺を追ってきてる途中からそこで倒れてたってことか?」
"そうなんですか...
それに、その男は裸の状態で倒れていたそうです...'
「なんで裸なんだ?
昨日着ていた黒のジャージや帽子はどうしたんだ...」
紳助は色んなことを考えながらご飯を食べ終えて皿を洗った後、自分の部屋に戻って行った。
「...まじか、まさかあの男が裸の状態で見つかったなんね
絶対、何かがあったに違いない。
ちょっと、昨日通った裏道にすこしばかり行ってみるか。
ついでにコンビニにも寄りたいし。」
すると紳助は外に出かける準備をして家の電気を消し家を出た。
......
「はぁー...
昨日からと言ったものの疲れが凄いな
先にコンビニに行ってから帰りに裏道に行くか。」
紳助は10分ほど歩いてコンビニで買い物を済ました後裏道へと行った。
だが、そこは警察が立っており入ることが出来なかった。
「そうか、やっぱり事件が起こった所は入れないよな...
いや、でも反対側からなら見れるかもしれんな
取り敢えず、行ってみるか。」
そうすると紳助は警察がいた所から5分ほど歩いたところの裏道に入った。
そこは紳助の予想通り警察が立っていなかった。
「やっぱり、ここは警察もきてないんだな
直接はあっちの道とは繋がってないが行ってみるか」
紳助は一方通行の道を真っ直ぐ進んで行った。
「それにしても、今さっきから誰か俺の後を追ってきてないか?
まー気のせいか...それよりも早く見て帰ろう。」
(そうだ、この時の俺の感は当たっていたのだ。
その事を無視した俺は後に起こることを知るよしもなかったのだ。)