3話 安心と不安
「えっと、紳助君だっけかな?
そこに座ってくれるかな」
「はい」
「それじゃー今さっきのことを詳しく聞かせてほしいんだけどいいかな?」
「分かりました、えっとですね...」
(俺が、今何をしてるかって?
警察から事情聴取されてるんだよ、何故かって
そんなの決まっているだろ、今さっきまで俺はナイフを持った怪しい男に追い回されていたのだから)
「それじゃー質問していくからね
まず、その怪しい男とヤラに追われたのは何時頃のことかな?」
「そうですね、明確には覚えていないんですが確か、9時30分から10時頃だったような気がします。」
「そうですか、それではその男がどのような感じだったかをお聞きしてもいいですか?」
「はい、確か上下は黒いジャージを着ていて
マスクと黒い帽子を付けていました。
あっそうだ、それとナイフを持ってました。
あと、ハッキリとは見てないんですが銃みたいな物を持っていたような感じでした。」
「なるほど、では体型はどの様な感じでしたか?」
「パット見た感じ身長は180cm位で体型はあまり太ってはいない感じでした。
そうだ、それと顔の目のあたりに火傷の跡みたいなのがあったと思います。」
「なるほど...では、今から我々警察がこの辺りを調査してみますので。
それと、紳助君は私達が家まで送りますので」
「すいません、ありがとうございます
あっそうだ、その前に買い物だけしてもいいですか?」
「それは構いませんが」
そうすると紳助はスナック菓子を3袋と漫画を2冊買って警察に家まで送ってもらった。
......
「この家が紳助君のお家ですか?」
「はい、態々すいません
家まで送ってもらって。」
「いえいえ、これも我々警察の役目なので
それでは、くれぐれもまた怪しい男と出くわさないように気をつけてください。
それでは、我々は失礼します。」
「ありがとうございました。」
礼をするとパトカーがまた走り始めた
紳助はパトカーが見えなくなるのと同時に家へ戻った。
家の中は相変わらず静かなままだった。
「はぁー...今日は一段と疲れたな
まー家にも着いたし一安心だな...
いや、でもまだあの男が捕まった訳でもないし安心は出来ないな...
いやいや、今は買ってきた漫画でも読んで心を落ち着かせよう。」
そうすると紳助は自分の部屋に戻りエヤコンをつけ、スナック菓子を食べながら漫画を読み始めた。
「ハッハッハ~
それにしても、この漫画は面白いな~
えーっと、そんでまだ1度も見た事ない漫画を買ってみたんだが、ただ単に表紙が面白そうだったから買っただけなんだがな。そういや、題名を見てなかったな...
まーいいや、取り敢えず読んでみるか...」
そうすると紳助は読んだこともない本に手を出し読み始めた。
「えーっと、なになに [ドラゴンファンタジー]?
まーいい、読んで見なきゃ分かんねぇーからな
なになに...勇者が魔王に挑もうとしたら魔王が勇者に1つ提案をした?
えっと...「勇者よ私の仲間になれば世界の半分をくれてやろう」...って、これ完全に某有名な[ドラゴン〇〇〇ト]じゃねーかよっ!」
紳助は1人でツッコミを入れながら続きを読んだ。
「それで、勇者はこの問についてなんて返してんだろ...[興味ないね]って、これも某有名な[ファイナル〇〇〇〇ジー]の『ク〇〇ド』の口癖じゃねぇーかっ!
一体この漫画どうなってんだよ...1つの内容に2つの作品をぶち込んで...」
紳助は1人で漫画に向ってツッコミながら時間を過ごした。