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飼育小屋。
昔はどうだか知らないが、最近の学校は飼育小屋があっても、その中身は空っぽということが多かったりする。俺の学校もそうで・・・
昔はウサギだかニワトリがいたという飼育小屋の中は空っぽ。なにもいない。
そう、なにも・・・
「ねえ、なにしてるの?」
なにもいない筈の寂しい小屋の前に立つ幼馴染。ぼんやりとその中を見詰めるのは、色素の薄い瞳。
「ん? いや、ウサギも……有りかと思って」
「無しっ! アウトっ!」
「そうか? 餌代とか」
「もうそんなん引っくるめて全部アウトっ!? ほら、帰るよっ!?」
幼馴染を引っ張って歩く。
「え~」
幼馴染は、動物……? を、まだ諦めていないようだ。変なモノを拾って来ないことを、切に祈る。
読んでくださり、ありがとうございました。
「帰り道」の後日談になります。